ここのところバタバタしていて、あまり更新が出来ませんでした。


久々の更新にしては暗い話になるかもしれませんが、父方の祖父母の話に付き合ってください。


祖父は何年か前に体調を崩し、入院しました。

しかし

「死ぬなら家で死にたい」

という祖父の意見を聞き、自宅に連れて帰ることに。


祖父母の家は二人暮らし。

祖母が一人で面倒を見ることになりました。



母も叔母も、凄く祖父母が好きだったので一緒に暮らすことを提案しましたが、実の息子である叔父と父は首を縦には振りません。



祖母に直接提案しても、祖母は静かに微笑んで

「ありがとう、でも大丈夫よ。」と。



そして昨年辺りから、祖父は痴呆が進んできました。

それでも祖母は一人で世話をしました。


さすがに心配になった私は父に、何故そう頑なに同居を拒むのか問いただしました。

すると、「邪魔しちゃいけないんだよ。」とだけ返ってきました。


そして昨年12月、さすがに限界を感じた祖母は祖父を再入院させることにしました。


あれほど家にいたいと駄々をこねた祖父も、大人しく了承してくれたそうです。

これで祖母も気が抜ける。


私も母も安心しきっていました。






そして先日、祖父がいつ亡くなってもおかしくない状況にあると言われました。


祖母と父は葬式の話をし、母は就職した姉の喪服について考えています。


私には、まだ実感が湧きませんでした。



ただぼんやりと、「祖父はまだ家に帰りたいのだろうか」と考えていました。



しかし病院に行っても、祖父はそんなこと一言も言いませんでした。


ただ看護婦さんから聞いた話によると、ずっと「会いたいなぁ」と呟いていたらしいです。




看護婦さんが
「だれに会いたいんですか?」
と訊ねると


もともと仏頂面の祖父がニッコリ微笑んで



「うちの奥さん。」



と言ったそうです。








お祖父ちゃんが帰りたかったのは家じゃなく、お祖母ちゃんの隣だったんだね。





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