黒の長い髪が風に揺れる。
紅く染まる橿原宮に背を向けて、幼なじみに貰った短剣を抜く。
無造作に髪を鷲掴んで、一息に断ち切った。
過去も、不毛過ぎる想いの行方も、髪と一緒に断ち切って、
切り落とされた髪は風に乗り、炎に包まれた橿原宮へと流れてゆく。
「―――…さよなら。」
今も何処かで戦っているであろう、幼なじみに向けて。
流れていった髪が燃え尽きた瞬間に、幼なじみの"あたし"は消える。
もしまた相対することがあるならば、"俺"は敵として槍を振るう。
仲間の、為に―――…
せめてきれいなさよならを
(願わくば)(相対することがないまま)(一人朽ちていきたい)
『ジャスミン』設定のSS!
男装ヒロインの断髪シーンと独白です。
ふと思いついて書いたので本編中に組み込まれる可能性大です(笑)
別れが必至ならば、せめて笑ってさよならが言いたい。
けどまた会えるかもしれないという可能性を信じたい気持ちもあって、このヒロインの場合はその気持ちごと断ち切りました。
そんな淡い期待を抱いていられる程戦争は甘くないと、知っているから。
采女ヒロインの方のも書きたいのでまた麻美ちゃんと相談しよーっと!
…バイト帰りにコーヒー(ブラック)、寝る前にカフェオレを飲んだせいなのか定かではないけど、殆ど眠れなかった…!
ので朝っぱらからSS書いてアップしてみる←
「ばーかばーか柚木のばーか。」
「…醜い面が、醜い言葉で更に醜くなってるぞ。」
いつもなら無言で最恐の笑顔を向けてくる、のに、何故か今日は黒柚木のまま、心底呆れきったような視線を向けてきた。
「…なんで、」
抱え込んでいた足を伸ばし、ベンチの背もたれにもたれ掛かる。
見上げた空は水色から橙色に変わり始めていて、何だか急に切ない気持ちになった。
「なんで、」
コンクール、辞退したの?
聞きたいけど、聞けない。
聞いたら何かが変わってしまう、気がする。
…否、違う。
何でかわかってるから、聞いてしまったら認めてしまうことになる。
今はまだ、知らないままでいたい
(一年後の今、隣に)(君がいないかもしれないなんて)(考えたくも、ないよ)
久しぶりのSSがまさかの柚木(笑)
今日加地くんの誕生日なのにねー…
とりあえず、加地くんおめでとー!
別れがテーマです。
柚木の扱いが酷すぎるけど、だらだら書きたくなかったのでヒロインメインで←
なんか…歳を重ねていく毎に別れの辛さが薄らいでいくかと思いきや、逆に別れに翻弄されてる。
19歳って不便だな、子供と大人の境目って思ったよりも遥かに厄介で、子供のままでいられないし、大人にもなりきれない。
あーあ、トリップしたいな、携帯のない時代へ←
「すぐるー」
「どうしました?」
「はい!たんじょうびおめでとう!」
着物の裾を引かれ、自分の名前を呼ぶ声に振り向き、しゃがんで目線を合わすと、
無邪気な笑顔と共に差し出された贈り物に、思わず固まってしまった。
「うん!やっぱりにあう!」
「…ありがとう、ございます。」
素直に喜んでいいものなのか。
頭に乗せられた花冠に、苦笑を零す。
でも誕生日を祝ってもらえるというのはやはり嬉しくて、頬を緩ませ、頭を撫でながらお礼を言うと、くすぐったそうに目を細めて、
「ずっといっしょの、しるしだよ!」
言い終わる前に小さな体が胸に飛び込んできて、柔らかなぬくもりを躊躇うことなく抱きしめた。
小さなプロポーズ
(この時もう既に)(心は決まっていた)
一日遅れのハッピーバースデー☆←
真弘先輩忘れてたくせに大蛇さんは覚えてるとか…っ!←
まだ大蛇さんが十代の頃のお話(笑)
大蛇さんのお母さんがいつ贄にされたのかあやふやなので、誤魔化しましたっ☆←
ヒロインは緋色・翡翠共通で、とある事情により男装して、大蛇さんと一緒に暮らしてます。
ちょうど大蛇さんのお母さんが亡くなって、大蛇さんが一人ぼっちになった頃から…
拓磨と珠紀と同い年設定なのでこの時ヒロインは多分小学生くらい…?
まだ可愛げがあった頃かと…←
愛蔵版買ったら連載書こうかな…!
緋色→翡翠→蒼黒の流れで書けたらいいなあ…!←
またカウントダウンしたいです、緋色と翡翠の。余裕あったらしよう!うん!←
いやに時の流れが遅く感じた。
まるでスローモーションのように、ゆっくりと、
銃声も、土方さんがあたしの名を呼ぶ声さえも、届いた時にはもう遅くて、
「土方さんっ!!!!!」
あたしを庇い、銃弾を食らった土方さんが地に倒れ伏す。
あたし達を囲む敵を一息に斬り伏せ、急いで土方さんに駆け寄る。
「土方さんっ…!どうして…!」
土方さんの体を抱え起こし、何度も呼びかける。
目には涙が溜まり、今にも零れ落ちそうで、
「…馬鹿、野郎。泣くな。お前の涙を見ちまったら、逝くに逝けねぇじゃねぇか…。」
「っ、やだ…!逝かないで、よぉ…っ!」
土方さんは荒い息で、困ったように笑いながらあたしの涙を拭う。
「罰が、当たった、んだ…。」
「えっ…?」
土方さんの言葉に涙が止まる。
切なげな瞳であたしを見て、優しく慈しむようにあたしの頬を撫でて、
「お前、が、相馬の、ことを…、特別に思ってる、のは知って、た。相馬、が、お前のことを、好いてる、ことも、な…」
「っ!?」
土方さんの言葉に心臓が震えた。
確かに相馬は花柳館から一緒で長い付き合いで特別な存在なのは確かで、でも、その気持ちは恋とは違うと思っていた。
…いや、思おうとしていただけなのかもしれない。
「わかっていた、が、お前を、俺のもの、にしてしまい、たい衝動を…っ、抑えきれなかった…!」
「ひじ、かた、さ…」
嫌だ嫌だ嫌だ。
謝らないで、逝かないで。
確かにあたしは強引に土方さんに抱かれて、そのまま恋人同士のようになっていったけれど、
それでも、あたしは―――
「お前、は、生きろ…!生きて、相馬の傍、にいてやっ、てくれ…」
あいつは放っておいたら何するかわからねぇからな、と土方さんはそう言って笑って、
ゆっくりと、あたしの頬に添えられていた掌が地面に降りてゆき、それと同時にあたしの瞳から涙が一粒、零れ落ちた。
確かに恋だった
(最初は嫌いだったよ)(でも確かに少しずつ)(あなたに惹かれていって)(今ではこんなにあなたを愛してしまっているのに)(生きろ、なんて)(ずるいよ)
…はい、前回の相馬の話とリンクしている土方さんとヒロインの別れのシーンです。
今日は土方さんの命日。
ずっと書きたかったので書けてよかったけど何だか土方さんに申し訳ない(´・ω・`)
幸せな話もまた書きたいです。
幕末は本当に切ない。
けどやっぱりすきです。
戦国とか源平合戦とかでもそうだけど、何かの為に戦ってる姿が本当に眩しい。
生きてるって感じがする。
土方さん、どうか安らかにお眠りください。
「終わった、な…」
「……うん、」
俺は何を言っているのだろうか?
彼女は今、最愛の恋人を亡くして傷ついていないわけがないというのに。
後に言う五稜郭の戦いで、俺達新選組の戦いは終わりを告げた。
局長を失い、そして、今隣で星空を見上げている彼女の恋人であり、俺達の副長である土方さんも、弁天台場に向かう途中、銃弾を受けて亡くなった。
彼女の、目の前で。
「…相馬は、」
沈黙の後、彼女は口を開いたが、躊躇うように言葉が止まる。
その横顔はとても儚くて切なくて、このまま夜空に溶けて消えていってしまいそうな気がして、
「っ、そう、ま…?」
隣り合った彼女の手を、握り締めていた。
「何故、泣かないんだ…?」
「……土方さんが、いないから。」
俺の問いに彼女はそう答えた。
彼女は、泣かなかった。
亡くなった土方さんを置いて、俺達の所まで戦い抜いて、
それからずっと一緒にいるが、彼女は一度も一瞬たりとも泣かなかった。
ただ感情の読めない瞳で、空を見ていた。
「…決めてるんだ。泣くのは、土方さんの前でだけって。」
苦笑を浮かべながら彼女は語る。
「…だから、いつかあたしが土方さんの所に行った時、沢山泣いて泣いて泣いて、恨み言並べ立てて、土方さんを困らせてやろうと、思って。」
「……そう、か。」
彼女の土方さんへの強い想いに、ちくりと小さな痛みが走る。
「だからさ、」
一旦言葉を切って、彼女は体ごと俺の方を向いて、
「それまでは、あたしが相馬の傍にいてあげる。」
「っ!?」
彼女の想定外の発言に驚きを隠しきれない。
「このまま放っておいたら、相馬、勝手に死んじゃいそうだし。だからあたしが、見張っててあげる。」
繋いだ手を強く握り締め、彼女はふわりと笑った。
緩やかに、ドクン、と心臓が脈打つのがわかった。
変化する時代、そして君への想い
(土方さん)(彼女があなたの所に行くまででいいから)(彼女のこと)(想わせてください)
石川さんの誕生日に向けて幕末練習中ー!
土方×ヒロイン←相馬、かな?
本当は気付かないくらい昔からヒロインをすきだったけど、土方さんの恋人だからと更に無意識に奥底にしまい込んでしまって、やっと今、気付いた、みたいな感じ。
切ないなぁ(´・ω・`)
久しぶりにヒロインが置いて逝かれる話書いた気がする…(^^;)
このヒロインなら助けようと思えば土方さんを助けることも可能だったんです、が!
まあそこら辺は、そのうち書くであろうヒロインと土方さんの別れのシーンの時に!
完全に死ネタですが気になった方は期待せずに待っててくださいー(*´∨`*)