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他の誰よりも先に死にたい


私は他の誰よりも先に、死んでしまいたいと考えている。
それが何よりも私の平穏なのだ。 私は少々、人様にとって冷酷なのかも知れない。愛する人が死んでから、ずっと死を願い死を恐れて来た。私が死ぬまで他の誰も死なないこと。今ここにある私の肉体、生命を放棄して空からぼんやりと誰かの幸せや悲しみを眺めていたいと思う。ただ、私は死が恐ろしい。痛いのは厭だ。苦しいのも厭だ。 私は友人の墓参りに行った。前の晩には、生きている友人たちと語り明かした。酒を交わし冗談交じりで互いを罵りあい、彼が生きていたら屹度、たらふく酒を飲んだことだろうなと笑いあった。私たちの中では、彼は一度死んで焼かれた後になって、生き残ったのである。彼は死んでいない。私たちは彼を、遠い国へ働きに出たという事にしようという取り決めを行った。彼は死んでこの場に座れないのではなく、遠い外国で、便りを寄越すことも無く、平気で生きている為にこの場には居ないのだと。

私たちは彼が死んで何年も過ぎ去った今でも、彼の死を認識せずに生きて来た。或いは彼らも私のように、まるであの葬式の日のように、泣き狂うことがあったのかも知れないが、互いに慰め合い、抱き合うことは一度も無かった。私は彼を愛していた。彼を失った時には、もう二度と笑う事は出来ないのではないかと自分の心に問いかけた。私は何も忘れないつもりで生きてきたのに、私は何かを忘れながら歳を取った。 夢の中。私は彼に問いかける。何時になったら、帰ってくるのかと。 彼は突然、寂しそうな顔をして囁く。目を覚ませ。目を覚ませ。目を覚ませ。 夏の手が伸びた六月。日差しの強い日だった。私の電話が鳴る。たった18回。たった18回しか夏を過ごすことが出来なかった。私は今、22回目の夏を過ごす。目を覚ますべきなのは、私だろう。彼は正しい。
私は祖父が死んだ時に、人を失う恐怖を知った。
それから、私は多くの人を失った。愛する多くの人が、死んだのだ。
私はキリストに救いを求めようとしたが、私は神を信じきることが出来なかった。仏教に救いを求めたが、本当の所何一つ理解していないだろう。

それなのに、私は病室に呼ばれた。
母が死ぬ。医者はまだはっきりとは申し上げられないと言った。 私の愛する母が、死ぬのだと思ったら胸が張り裂けそうだった。本当に張り裂けたのは胃だった。一通り説明を聞いた後に、トイレへ駆け込んで嘔吐した。胃の中身は黄色だった。まるで、小便を口から漏らすような不快感が、体を駆け巡った。 私はインターネットで情報を収集し始めた。100万人に1人か2人しか患う事がない病気を母が抱え込むのは何故なのか。私が幼いころに呪ったからかしら。私は震えている。何もこういう風に母の事を語るべきでは無いのに。母はまだ40回目の夏を過ごしている。 腹を切って全てを明らかにして、悪性であれば、母は5年生きられる確率が30パーセント。
まだ死ぬと決まったわけではない。私が恐れていたこと。私が恐れて生きていること。愛する人が死んでいくこと。人はなぜ、死にたいと願わずに死ぬのか。こんな時にまで、母が心配しているのは治療費と、それから、私たちの事だった。

6月に読んだ本

6月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1821ページ
ナイス数:7ナイス


罪悪
人を裁くとは何か。人に裁かれるとは何か。この短編集が面白いのは罪の存在の仕方にある。法の中に存在する罪。人間の中には無く、悪意の中にも罪は存在せず、法の中だけに存在する罪と罰。「鍵」が一番良かった。罪と罰。罪と悪。この作家の「犯罪」はまだ未読だが是非読んでおきたい。
読了日:06月27日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ


ワーズワース詩集 (岩波文庫 赤 218-1)
自然の捉え方が素朴。日本人なら大体をすんなりと理解できる詩。彼の物語は、特に「マイケル」がそうであるように、無情をうたっているように思われた。それが湿っているのか乾いているのか、読むほどに味わいがあるように思う。「四月の二た朝」が印象に残る。
読了日:06月20日 著者:ウイリアム・ワーズワス


やっぱり、あるある マーフィーの法則
マーフィーの法則を検証していくこの一冊はお馴染みの法則から新しい法則までを解説してくれている。素朴科学の話には感心させられた。別の視点から考えることの楽しさがある。単にマーフィーの法則を楽しみたい人も、科学的に解明していきたい人も楽しく読むことが出来るだろう。特に面白いと感じたのは第三章の記憶にだまされるであった。
読了日:06月18日 著者:リチャード・ロビンソン


世界で一番美しい元素図鑑
ずっと欲しくてついに購入。この本の美しさは元素の写真だけでなく、その文章に在る。ユーモアが含まれ物質の特性や用途、発見に至る過程が、化学に一切の興味がない私でさえ胸を擽られ、知識欲を刺激される。美しいだけでなく面白い図鑑だ。繰り返し読みたくなる図鑑と言うのはそうそうないだろう。誰かにプレゼントしたくなる一冊。興味や関心が一気に胸から引き出された。
読了日:06月17日 著者:セオドア・グレイ


検証 東日本大震災の流言・デマ (光文社新書)
読了日:06月17日 著者:荻上 チキ

モーパッサン短篇集 (ちくま文庫)
読了日:06月17日 著者:ギ・ド モーパッサン

ハムスターと暮らそう!―たのしい飼い方・遊び方
読了日:06月17日 著者:


ハムスターの救急箱 100問100答
読了日:06月17日 著者:大野瑞絵

2012年6月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

ウルトラサイン

何も考えていないわけじゃないんだよ。何もしていないだけで。とか言ったら怒られるかなーと思って言ってみただけで、これからも何も考えないし何もしねーんだなこれが。

電車の中で、明らかに私に向かって手を振っている女の子がいたわけ。でも知らない人なのよ。思い出せないし、最初から友達じゃないんだろう。それでも思いだそうとするでしょ。笑顔振りまくよね。だって手を振られているんだから。 知らない人に笑顔振りまくなんてないのよ。知っている人にも笑顔振り向くような生活していないんだから。だから春は嫌いなんだよ。新しいが次々におそうだろ。かっこつけた学生がシャカシャカ煩いだろ。私はこうしてゴミをインターネット上に増やしていくだろ。

毎年桜を見ながら酒を飲んだりするんだ。どれがいつの桜かなんて覚えておけないんだよね。桜の絵を描けって言われて描く桜はいつの桜なんだよ。あの日の桜なんてわかんねーよ。あの日の桜ね!なんて言えないよ。写真なら写真に写る私達の顔を見ながら、あの日の話をするんだ。
あの日の雷はどうだ?雷。私は小さいころに、母の仕事用のテープの匂いの中で妹と窓にくぎ付けだった雷が一番だね。それから相合傘で帰った学生時代も思いだすね。それからバイトで遅くなった時に迎えに来てくれた友人の顔も思いだせるような気がする。
それは何故?
そして何故?
なんでそんな時の事だけなんだよ。良く考えろよ。今日の雷はどうだった?家がガタガタいった。それだけなんだよ。バカヤロウ。あほんだら。 何も考えてねーから何も思い出せやしねーんなら、諦める。何かしてきたのに、何もない気がしてただただ怖いんだよ。悪いか!

3月に読んだ本

3月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1937ページ
ナイス数:17ナイス

悲しみを聴く石 (EXLIBRIS)
アフガニスタンの一室で繰り広げられる女の懺悔。この話からはムスリム特有の男女の思想、性的な思想を感じることが出来た。一室での独白であるのに、その迫力は凄まじく、読ませられた。彼女にとってのコーランや悪魔という言葉の重みを完全に理解する事は出来ないが、それでもその言葉の重みを感じることが出来る。優れた作品だった。こういう作品がもっと読みたいと思った。タブーの存在が語られ、タブーの存在それ自体に興奮を覚えた。
読了日:03月27日 著者:アティーク ラヒーミー
キャンバス
画家の父と息子。読み進めていくうちに息子であるファンの優柔不断でファザーコンプレックスの性格に、憤りを感じた。妻であるエレーナの視点に立っていたのだろう。ラストに至るまでの様々な人物との会話をどのように解釈していいのか分からないままだった。画家である父や息子を取り巻く人物の心情が見えず、そのため親子の愛を感じるには物足りなかった。息子であるファンが言う、見えない糸のような繋がりが、本当に見ることが出来なかった。偉大な画家である父と息子の持つ苦悩。それ以上の感情を抱くことは出来なかったが、その苦悩は確かに感
読了日:03月22日 著者:サンティアーゴ ・パハーレス
もう悩まない不妊治療
説明も堅苦しくなく理解できる。用語の説明がされていることや、様々な治療方法が書かれているのが嬉しい。さらに絵が可愛らしく、見やすい。治療の経験談が載っているのも嬉しいが治療が保険適用するかどうかは書かれておらず、不妊治療について書かれた他の本に比べて残念な所だ。
読了日:03月22日 著者:原 利夫
少女地獄 (角川文庫)
彼の文体と描写が好みなので、この作品の中にもずるずると引き込まれていった。この少女たちの異常性が、男性の正常な思想という世界の中に存在し、恐ろしかろうが愛しいという不可思議な感覚をもたらす。それをより一層際立たせるのが少女たちのまともな顔だろう。精神世界とこの世界の狭間に立った様な、妙な気持ちにさせられる。
読了日:03月14日 著者:夢野 久作
檸檬 (280円文庫)
中学1年生の時に読んだ時は正直難しく理解できなかった。雰囲気も味わうことが出来なかったあの頃と比べ、この作品に面白さを感じた。檸檬に感じる閉塞感が、時代を越え私にも響いて来る。この特異的な檸檬に置いて感じる普遍性というのを、うまく言葉にする事が出来ないでいる私がいる。私も檸檬を置きたい。
読了日:03月09日 著者:梶井基次郎
本人&両親 結婚の段取りのすべてがわかる本 (学研実用ベスト 暮らしのきほんシリーズ)
インターネットで情報が得られる今、この本を買うのをためらった事実もあるが、分かりやすい解説と結婚式を挙げる当事者や親の立場との視点の相違や地域差のある結婚式について綺麗にまとめられておりカラフルで読みやすい。また読み進めていくうちにしっかりとした自分の結婚式の計画を立てていくことが出来る仕組みになっており、費用の面では大変参考になった。
読了日:03月09日 著者:
信じない人のためのイエスと福音書ガイド
タイトルに惹かれて手にしたが、スーパーマンや救済マシーンと言う言葉には笑ってしまった。この軽い文体が全体を理解しやすいように手助けしているようには思えなかった。情報の整理のために、比較された福音書の解説部分が章を跨いで行われたりするため、一気に読むのを勧める。
読了日:03月05日 著者:中村 圭志
サイボーグとして生きる
邦題が「サイボーグとして生きる」と訳されるのはどうなのだろうか。インプラントを埋め込み、人工内耳を入れて生活する。脳のシナプスがそれをどう取り込み生活がどのようなものであったか詳しく書かれている。読み物として面白いだけでなく解説書としても面白い。この二つの要素が面白いおかげで難聴者もそうでない人も、読んでいてためになるであろう事は間違いなく、それは感じているよりも素晴らしいことだと思えた。
読了日:03月05日 著者:マイケル・コロスト

2012年3月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

二月後半

2月16日
すがすがしい朝。今日は5時半に起きた。早起きは久しぶり。もう家事も大半を終えて、後は音のする洗濯と掃除機だけ。今日は頭が冴えている。このまま、詩を書き始める。

やっと完成した。私が私なりに愛の詩を詠えた。なんてちっぽけなんだろう!出来た!!

2月18日
やっと熱が下がった。ここ数日、目まぐるしいスピードで時間が流れていった。だって今日はもう18日 だぜ。驚いた。近所のスーパーではもうホワイトデーとか言ってる。嘘でしょ。今年のホワイトデーは何してもらえるかな。ワクワク。とかしちゃって来たじゃ ない。まだまだ行事がたくさんあるわ。

2月22日
チャングンソクの生放送に入れなかったので、世界史の哲学を読み進める。今は第六章のともにいて苦悩する神を読んでいる。私≠私という話が興味深い内容で、知的好奇心をがっつりくすぐられている。

中川さんと話していて、私って一体何者なんだろうって考えていた。真面目な話、詩を書いていない時の自分は、詩について全く考えていないんだから、それ は、私なのかしらん。つまり、職場の私と家にいる私と車を改造している時の私と友達と遊んでいる私とスカイプしている私は一体誰なのか。私≠私。

2月23日
約400年という時間が私とシェイクスピアを挟むのに、それでも尚彼が、私を魅力するのは何故か。私と芥川龍之介の間には、約100年の時間の壁があるのに、そこにある美しさとは何か。

まずは詩も小説も社会的なコンテキストと切り離すことが出来ないという事を理解しなければならない。

2月24日
善と悪や光と影の二元論を用いた詩には飽き飽きしている。ネット詩を読んでいて、得に感じる。映画や小説だと面白い駆け引きが、欠如しているからか。詩は再びどのような角度から、攻め入るべきだろか。

2月26日
こないだからドラクエ8をやっている。ずっとFF派だったので呪文の違和感があるけれど、マルチェロの過去が明らかになった時点で旦那よりわたしがのめり込んでいる。早く帰ってこないかな。ゲームしたい。

2月28日
今からエクソシストを見る。私はホラー映画が大嫌いで、怖い話も苦手。一生見ることがないと思っていた。怖い。旦那がそれを知ってTSUTAYAへ。怖い。おしっこ漏らすかもしれない。

エクソシスト見終わった。元々ホラーが苦手なのでリーガン恐ろしかった。ただブリッジで階段歩かないのね。それにしても悲しいな。まともな感想が出てこないぜ。とにかく興奮している。旦那と寝るか。

2月29日
エクソシストと一緒に借りた40歳の童貞男を見た。彼みたいな生き方は素敵。まあ下品な内容なんどコメディとして終始クスクス笑えて、ハッピーエンドで癒 された感じ。ファックユーって発音はもうばっちりだな。昨日今日と随分聞いたし。子供の頃は40歳が恋愛ってぞっとしてたけれど、普通の事よね。
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