ふーむ…。
うーん、すごい映画だったなぁ。ちょっとすごかったので、びっくりした。

「子供時代のことは、大人になって始めてわかる」

殺人で投獄された母親を持つ少女・アストリッドの物語。愛と憎しみのヒューマンドラマ。

フュジットはアストリッドがマッキニー・ホールで出会う、ちょっとオタクっぽい男の子・ポール役。過激なイラストでアストリッドを笑わせます。善き友で、善きパートナー。傷付いたら手紙の束が待っている。

アストリッドとイングリッド、母子のドラマも見ごたえがあったけれど、母子の確執に巻き込まれていく周囲の人々のドラマも良かった。
イングリッドは娘が自分から離れていくのが怖かったみたい。娘の幸せを強い口調で否定する。いつまでも子供のままでいてほしい、だけどそうはいかない。子どもは成長していく。子供から逃げたりしがみ付いたり、イングリッドは強そうに見えてとてもか弱かった。フェンスにしがみ付いた彼女に、胸が締め付けられた。
だけどアストリッドの気持ちもわかる。幸運を不運にされる。昂揚した気持ちを、暗い雲で覆われる。私にも愛する人を、頭ごなしに否定された経験がある。たった一度だって耐えられなかった。それが何度も続いたら、きっと逃げたくなるよ。

イングリッドの言葉で壊されていく家庭。アストリッドは自分を責めて、自分自身に報いを与え始める。
どうなるんだろうと目が離せなかった。充実した109分でした。

燃やすために作る。けれど芳しい思い出。もう行くことのない国の地図。ホワイト・オランダー。