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嗚咽

475 :マン・オン・ザ・タイトロープ ◆i.G3hnSA8o :04/03/19 04:01 ID:yvFWeTXz

俺の毎朝の日課は、小学校1年の娘と一緒にモノレールに乗る事。
駅までの道は手を繋いで行く。
他人から見ると、いい家庭を絵に描いたような風景だが、実際は違う。
妻とは会話もほとんど無いし、たまに会話をするとなぜか口論になる。
そしてお決まりの展開。

「だったら、別れるか?」
「いいよ!でも、子供はどうすんの?」
「・・・・」

いつものセリフで言い争いが終わる。

ある日の出社前、読みかけの本を入れようとしてカバンを開けると中に何か入ってるのに気づいた。
「封筒?・・・」
取り出してみると、つたない字で俺の名前が書いてある。
『○○ ○○へ』(○○ ○○は何故か俺の氏名)
娘から俺宛の手紙だった。
いつの間に入れたのだろう?
早速読んでみた。



476 :マン・オン・ザ・タイトロープ ◆i.G3hnSA8o :04/03/19 04:03 ID:yvFWeTXz

(原文のまま)
『人のかん字はささえあっていることとぱぱは、わかっていた?
 わたしはそんなことしらなかった、でも先生から、ならったんだよ。
 もしぱぱが、しってたらどのときからしったかおしえてね。
 いつもかいしゃをわたしたちのためにかいしゃをがんばってくれて、ありがと。』
便箋の余白には、「だいすき」という文字が入ったハートがちりばめられてる。

たくさんの消しゴムの跡、大きさがばらばらの字。
でも、一所懸命書いたんだよって思いは痛いほど伝わってくる。
朝っぱらからグっときた。
そして、会話をしない父と母を見てる娘の気持ちを考えると、すごく悲しくなった。
嬉しさと悲しさがごちゃ混ぜになったような気持ちって分かるだろうか?
涙をこらえるのに必死だった。

その日も、いつもの様に二人で手を繋いで駅への道を歩いて行った。
道すがら、娘に言った。
「ひかる。手紙、ありがとうね」
そう言うと、娘は照れくさそうに笑った。
娘は何も言わなかったが、繋いだ小さな手に少しだけ力が入る。
俺もちょっとだけ強く握り返した。
言葉は無かったが、娘がどんなことを考え、何を言いたかったか分かった気がした。

「照れくさいけど、今日帰ったらあいつ(妻)にやさしい言葉でもかけてみるかな」
駅で友達と合流して、俺から離れて行く娘の後姿を見ながらそう思った。
今さっきの複雑な気持ちは消え、少しだけ晴れやかな気分だった。

今では妻とは割と仲良くやってます。
娘よ。Thanksです。

嗚咽

490 :1/4 :04/07/19 02:34 ID:7i5beqVi

長文をお許しください。

家内を亡くしました。お腹に第二子を宿した彼女が乗ったタクシーは、
病院に向かう途中に居眠り運転のトラックと激突。即死のようでした。
警察から連絡が来たときはひどい冗談だと思いました。いつものように
今朝も笑顔で送ってくれたのに。冷たくなった彼女と対面しても現実
の事態として理解できませんでした。

帰宅して呆然としているところ、トラックを運転していた男性の父親と
婚約者の訪問を受けました。父親は土下座しながら、「自分と家内が死ん
でお詫びするから、息子には生きていく事を許してほしい」と。警察か
ら聞いたところによると、入院している母親の治療費を稼ぐため男性は
無理な労働をしており、それが居眠り運転をした原因のようでした。

同様に土下座している婚約者に目をやると、若くて綺麗な女性にもかか
わらず荒れた手をしています。本来ならとっくに結婚しているところ、
運転手の母親の入院のために延期し、彼女もまた入院費を捻出するため
に懸命に働いていると聞きました。私は何て言葉をかければいいのか
分かりませんでした。

罵ることができる相手だったらよかったのに。



491 :2/4 :04/07/19 02:36 ID:7i5beqVi

家内の葬儀にはトラック運転手が警察官に伴われて参列しました。彼に
は思い切り罵詈雑言をぶつけ、殴ってやろうと思いました。一生憎むつ
もりでした。しかし、震えながら土下座し私の顔を見ることのできない
彼を見ると、「彼もまたこれから苦しみを背負っていく人間なのだろう」
との思いがよぎりました。

「つまらない人間のために家内を亡くしたと思いたくない。罪は罪とし
て償ってもらうが、その後はきちんと生きて欲しい」。私が彼にかけた言
葉です。正しかったかどうか分かりません。本当の私の本音かどうかも
わかりません。ただ、私には彼を憎むことができませんでした。震える
声で返事をする彼をみると私の気持ちは伝わったようです。

怒りをぶつけられる相手だったらよかったのに。彼そして彼の家族に会わ
なければよかった。



492 :3/4 :04/07/19 02:37 ID:7i5beqVi

葬儀の後ようやく一人になれてウィスキーをなめていると3歳の長男が
起きてきました。私の横にすわりながら「お母さん大好きだったんでし
ょ。いなくなって悲しいんでしょ。悲しいときは泣くんだよ」と。私は
息子の前でも家内を愛していることを口に出す父親でした。好きな女と
生きていける幸せをいつも伝えてました。息子相手に、付き合った時ど
んなに楽しかったか、私の子供を生んでくれてどんなに嬉しかったか、
どれくらい幸せにしてくれたか、と家内の思い出をぽつぽつと語ってい
るうちに涙がとまらなくなりました。

今思えば、この時になってようやく家内及びお腹の子の死を現実のもの
として捉えることができました。そう、悲しくて泣くことによって。凍
結した感情が解凍したことによって。

情けない父親でごめんな。



493 :4/4 :04/07/19 02:39 ID:7i5beqVi

交通刑務所にいるトラック運転手から時折手紙が届きます。謝罪をつづ
った言葉ばかりですが、行間から彼もまた苦しんでいる様子が伺えます。
人の命を奪った自分が生きていってもいいのだろうか、と。また、彼の
婚約者から毎月手紙とともに金が送付されてます。最初は受け取りを拒
否しようと思いましたが、考えを変えて新しく作った口座に預金してい
ます。彼が出所したらファイルに綴じた彼の手紙とともに通帳を渡すつ
もりです。そして「これらのものを背負いつつ、きちんと人生を歩んで
欲しい」と伝えるつもりです。

私たち親子もまた大事な家族を失った事実を背負って生きていきます。
私は父親として、社会人として一生懸命な背中を息子に見せ、息子の目
に写る私は誰よりも強い男であるべく努めたいと思っております。家内
が安心できるように。二人で頑張っていきます。

だから時々泣くことは許して欲しい。誰にも分からないようにするから。










518 :490(1/3) :04/07/20 06:27 ID:GEt7DVtZ

レス有り難うございます。胸中を吐き出すことで少し楽になれ
ました。もう一度だけお付き合いください。

今回の事故により、私たち親子だけではなく大勢の方が苦しみ
を抱えることになりました。許してもらえなくも謝罪させてく
れ、と送金する婚約者。自分が入院したために息子が人を死な
せてしまったと嘆く相手の母親。そして自らを責め続ける運転
手本人。何度も自分に確認しましたが、私には懸命に生きる事
によって事故を起こしてしまった人間を憎むことはできません。

それでも正直に告白すると自らの弱さゆえに色々な葛藤があり
ました。無理に相手を恨もうとしたりもしました。被害者の立
場を利用して加害者を非難する考えが頭をよぎったこともあり
ます。相手も苦しんでいる事実に目を背けて大げさに周囲の
同情をひき、一方的に攻撃する。行き先のない気持ちを持って
現実から逃げるにはいいアイデアかもしれません。ただし、そ
の場合は私の持っている「大事な何か」が崩壊し、なによりも
家内及び子供達から軽蔑される事になるでしょう。私にとって
何よりも耐え難い事です。



519 :490(2/3) :04/07/20 06:34 ID:fmiL5bGd

運転手の手紙及び彼女からの送金は返すわけではありません。
彼が一生背負うべきものとして渡すものです。彼にしてみれば
罵られた方がよっぽど楽かもしれません。「一生苦しむ事は覚悟
しよう。肝心なことはそれを受け止めた上でどう生きていくか
だ」。彼に伝えたい事であり、今私が自分自身と息子に言い聞か
せている事です。

「彼を責めるのも許すのも彼自身にしかできない」。散々自問自
答した上で達した私の結論です。もっとも、自分の結論を理不
尽な理由で否定しては自己嫌悪に陥る、その繰り返しが今でも
続いています。ただ、彼には、彼のために苦労した御両親及び
婚約者を幸せにすることで自らを救済して欲しいと心から願っ
ております。

私と息子も失った家族の分も人生を充実させることに道を見出
したいと思います。



520 :490(3/3) :04/07/20 06:36 ID:fmiL5bGd

息子は最近「おもちゃ片付けたよ」、「ピーマン食べたよ」等今
までしなかった事をしたと報告してくれます。よく考えると家
内に叱られていた事ばかり。息子も自分なりのやり方で家族を
失った事の苦しさを乗り越えようとしているようです。私もま
た悲しさも、切なさも正面から対峙して乗り越えてやろうと思
っております。

急に広くなった家に帰ると胸が張り裂けそうになる事がありま
す。これからも続くでしょう。それでも、息子がつらくなった
時には安心して飛び込める父親になるためには堪えるしかあり
ません。当分は息子の前では泣けません。

「子供は親の杖だ」。誰の言葉か忘れましたが今しみじみと感じ
ております。弱い父親でも、挫けそうになった時には息子の存
在にしがみついて踏みとどまれる事ができそうです。

また長文になりました。でも溜まっていた事を吐き出したおか
げでしばらく頑張れそうです。

このスレ及び皆様に深く感謝します。

嗚咽

170 :大人の名無しさん :03/04/23 10:05 ID:WjmOz0ey

すみません、触発されて俺もお話しさせてもらう。

俺が結婚したのは俺が20、妻が21の時で、学生結婚だった。
二年ほど、貧乏しながら幸せに暮らしていたが、あるとき妊娠が発覚。
俺は飛び上がるほど嬉しくてひとりではしゃぎ、
無茶はするな、という妻の言葉も無視し次の日には退学届けを提出。
叔父さんの経営している会社にコネで入れてもらった。
まあ、とにかく俺はやる気満々で働きまくって子供元気に育てるぞ!
ってなもんだった。単純だった。

その後しばらくして交通事故で妻がお腹の中の子と一緒に死んだ。
このあたり本当に今でも良く思い出せない。
なにやら言う医者につかみかかって殴り飛ばしたこと、
妻を轢いた車の運転手の弁護士を殴り飛ばしたことは
うっすら覚えている。(むちゃくちゃだ)

そのあとは本当に記憶が曖昧だが、
葬式もきちんとすませ、手続きなんかもテキパキこなし、
何日か実家で休んだあと家に戻った。
それからは日付の感覚もなく、テレビも見ず、ただ米を炊いて、食って過ごした。
自分が鬱なのだとか落ち込んでいるのだとかそういう思考もなかった。
自分でも状況がよくわかっていなかった。
なんとなく、カッターで指先を軽く切っては治るまで放置する、
とかいう今思うとほとんど病気(そうだったのだろうが)のような
事を繰り返して過ごした。
突然夜中に涙がぼろぼろ出てきて混乱したりしたが、
オナニーして寝てやった。
死のうという気持ちもなかったと思う。
当時のことを友人や親に聞くと、様子伺いの電話などには
きちんと受け答えしていたというのだがあまり覚えていない。
おそらくそんなこんなで半年は生活していたと思う。



171 :大人の名無しさん :03/04/23 10:21 ID:WjmOz0ey

ある時夢を見たが、何の夢かは覚えていなかった。
とにかくひたすら謝っていたように思う。
ふと目が覚めて、ああ、なんか悪夢をみたなと
体を起こしてその光景に心臓が止まるかと思った。

目の前に小さな女の子がちょこんと座って俺を見ている。
なんだこれは、夢か?まだ夢か?と思いながら
自分の心臓の鼓動で視線がぐらつくのを感じてびっくりした。
とっさに水子の霊だと思った。死んだ俺の子が化けて出たと思った。
そのときがはじめて自分の妻と子供が死んだとちゃんと
認識した時だったように思う。
その子が、「大人なんだから、ちゃんとしなきゃだめなんだよ!」
と俺を叱りつけた。
もう混乱に継ぐ混乱だ。汗なんかダラダラ出て、
俺、心臓麻痺で死ぬんじゃないかと思った。寝起きだしなおさら。
そのとき、部屋のドアから大慌てで隣の部屋の奥さんが入ってきた。
「すみません!この子勝手にはいっちゃって・・・」
そこでやっと現状を把握した。
よくよくみれば、この子は隣の家の子共で、
妻がいた頃はなんども会話を交わしたことのある子だった。
ドアを開けっ放しにして寝ていたところに入ってきた実在の人間だ。
幽霊じゃない。
ああ、違うのかと思った瞬間、
なんだかベロリと目の前の幕がはがれたような感じで、
俺はその子にしがみついて号泣していた。
「すいません」と「ありがとうございます」を意味不明に連発していたと思う。

あとから聞いた話では、そこの一家はひきこもっていた
俺のことを心配してくれており、
何度も夫婦で何をして上げたらいいか、と相談していたらしい。
その相談を一人娘のその子は聞いていて、
落ち込んだ大人を励ましてやろうと活を入れにきたらしい。すごいやつだ。



173 :大人の名無しさん :03/04/23 10:35 ID:WjmOz0ey

とにかく、その日がきっかけで俺はカウンセリングに通い、二ヶ月ほどで職場復帰。
届けも出さず休んでいた俺を休職扱いにしてくれていた叔父は
快く迎えてくれ、しばらくのあいだ毎晩メシをおごってくれた。
隣の夫婦とも仲良くなり、寝起きの悪い旦那を起こしてくれとか言う理由で毎朝家に呼ばれ、朝飯をごちそうになった。(かなり強引だ)
とにかくもう俺の周りの人間が神級にいいひと達だった。
俺は救われたし、妻と子供の死をちゃんと悲しむことができた。

で、その娘さんが先月結婚した。(すでにその隣室の親子はマイホームを建て引っ越していったが未だに仲良くしてもらってる。)
親戚が少ないから、とか言う理由で式にまで俺が呼ばれ、
親族紹介のあとその子と話す時間があった。
俺とその子は口が悪い感じの関係で(15も年が離れているのに)、
その日もあまりにも綺麗になったその子に動揺して
「オメーまだ18才なのに結婚しちゃってもったいないな」
などと俺が言うと笑いながら
「寂しいのか、あんた?」などといいやがるので
寂しいよ!と言った。
俺は昔、お前に助けてもらった、おまえのお父さんとおかあさんにも
助けてもらった、だからお前のこととても大好きだ、
だから寂しい!とまくし立てるとまた号泣していた。
30過ぎたおっさんがヒックヒック言いながら花嫁の前で号泣だ。
はずかしい。気づくとその子も大泣きだ。
新郎側はびっくりしただろうな。親以外のおっさんと新婦が大泣きしてるんだから。

俺は今でも結局独り身だが、
その子が困ったらなにがなんでも助けてやろうと思っている。
恥ずかしいのでその子には言わないが。
もう俺にとってはあの子は自分の娘みたいなものなのだ。
なにぶん前半は10年くらい前のことなので
なんだか人ごとのように淡々とした文章で申し訳ない。
本も読む方じゃないし文章も稚拙ですまん。
漫画みたいな話なので2ちゃんで書くのは恥ずかしいと思っていたが
このスレを見ていたら俺も書き込みしたくなった。長文すまん。

嗚咽

123 :大人の名無しさん :03/04/07 22:24 ID:/UBbjfHk

身元不明のホームレスとして死んだ父親
身勝手な人だった。母の婿養子として結婚して店を継いだにも関わらず
遊蕩三昧で店をつぶし、借金を残して店の従業員と逃げた。
そんな父が私は大嫌いだった。
母と二人父の写真を燃やして、父のすべてに別れを告げた。
それから母子二人必死で生きてきた。
でも父の遺品として、私の写真と「娘へ」とマジックで書いたビニール袋いっぱいの小銭を
渡された時になぜか涙がこぼれてきました。
ずるいよ・・お父さん。

切なくなる瞬間・・・

451 名前:大人の名無しさん 投稿日:02/11/02 09:24 ID:22+y+auE

別れた妻と偶然再会して以来友達づきあいしてる。
離婚から十年以上の年月がたって、楽しく会話できるようになった。
何でも話せる親友のような付き合いだ。
俺の良さも悪さも分かっていて利害関係がなく何でも言い合える。
でも楽しい時間のあと別々の場所に帰る時切ない。
この女を自分の人生から2度と失いたくない。
だが、自分のものにする気はもうない。
相手も同じように思っているらしい。
夫婦でいたときは徹底的に傷つけあってもう限界だった。
お互い戻ることは出来ないし、戻る気もないんだが。
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