ふっと

要らないんでしょう
あたしなんか

蠅の御腹は
あたしの色しているわ
赤い蠅
あたしの色よ

皆嫌がってる
あたしを嫌がってる
あたしが腐敗してるから
こんなにも無惨に
ほら熔けて
塵箱に臭い液体が溜まってる

冷たい目をしている
誰か笑って
あたしを蔑んで
罵って

あたしを殺して
電気で殺してよ

手が冷たくて
寂しくて
夏が消えてなくなって
風も冷たい
暗くなるのも早い

何か 空っぽ
秋はこんなに悲しかったかな

どうやって忘れていくのかな
ナナカマドの赤で塗り潰す
枯れ葉でおおうの

笑っていても
腫に突っかかるみたい
上手く言葉が出ない

揺られた車の中
全部全部過去
過去だけ
これからは過去にしか

貴方はいないのね

薔薇を折れない
星も折れない
鯉すら

いま 脳味噌のウラッカワ
虫が湧くみたいに
痛痒いの

私は食べる
祈らない
小さなものを
粗末に しそうで恐い
狂気が夢現を
乱暴 やめて

やめて
ぶって

助けて

むかしっから そうだ、おまえって
わたしが怖がる顔をこのんだよね。
肩車で屋上から宙吊りにして
よく笑ってたものね。

頬ぶったたいて
倒れた後で
優しくキスして
首に噛み付いてきた
わざわざ尖らした歯が
気持ち悪い。
情緒不安定な目、、。

老いたら
まだ若いわたしが
たんまり
虐めてあげるからね。

震えてなさいな。

お前がにおっている
ぷんぷんと
自己主張しているんだ

ロシャブルの氷みたいな顔で
笑っているんだ
お前の我慢を
無駄にしてやろうと思って

私はいじめっ子だよ
お前の涙を
痺れる舌でどろどろに舐める
お前が果てたら
わざと締め付けてやるんだ

お前が震えてたら
どうしたのって
耳元で囁く

気持ち良いんでしょ