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♀―44

《オルランの遺書》

大好きな妹よ
私が死んだら
お前が私の
残した遺産を
もらってくれ

メイフとラミュが
文句言ったら困るから
私が殺しておこう

私は毒を飲んで死ぬ
お前が大好きだった
私はそれだけが幸せで
最近とても、
何もかもが、それすら
虚しくて悲しい



数年〜数日前

私の事
羽交い締めにして
大きな背中が
大好きなのに
絶望の夢
汚い土の漂う海に
死んだ海鳥が
沢山浮いてる
汽車は長いトンネルを通過中
居るはずのない
青白い人が私を
私の事を
羽交い締めにして
面白がってる

あなたは違うよ
私の反応を窺っている

だけど全部が恐いよ



毒はタニタがくれた
私は自分勝手でずるい人間だった
ごめんよ愛しい妹
本当はお前に殺されたかった
私と罪をともに背負い
一緒に
イキタカッタ

♀―43

カラフルマシュマロを食べた後の
嘔吐物はカラフルマシュマロの色
むしろ胃に入る前よりも
鮮やかに発色してるように感じる。
だからというわけじゃないが
クリスマス電球を思い出した。
あれを口に詰め込んだあいつは
口内を火傷していたが
飴を舐め続けていた。

私は大人になりたくない。
女でいたくもない。
男になりたいわけでもない。
大人になりたくない。
大人になんかなりたくない。

お前の耳と口に塩酸塗ってやるよ。
舌は引っこ抜いてやる
だから
いい
いやだったら
喋るな、。

お前を入れたりなんかしない。

♀―42

あの日の事
ぼんやり思い出していた
イカレた太った男に
煙たい車内でされた
生温くて生臭いキス
精子の味だ
私は目を閉じなかった
男の汚い顔を見てた
頭がぼうっとしていた

夢でまた繰り返す

貴方に犯される練習でもしておこうか
どんな顔や仕草に喜ぶ
今日はわざと焦らしてみたけど
溜め息ばっかりだった
それでいい
それがいい
そんな顔が好き

仕切りにホック触ってた
どうしたの 外したいのか
貴方はいい大人で
私はまだ汚れてない子供

私の太股に頭乗っけて
何考えてたの
良く見たら不細工だなって
思ったんでしょ
だけど抱きしめたら
冷たくて小さくて落ち着くな、、
なんて

ねえ

このまま山奥まで私を連れてなにするの
後ろから抱きしめてきた貴方は
息も荒くて。震えてた

一緒に首でも吊る?
無邪気を粧って言った
貴方は私の鼻をくっとつまんで
優しくキスしてきた
そして
私は深く深く
落ちていった

私が死んだ
4月12日

太った男は僕が殺したよ
耳元で聞こえた

♀―41

何が不思議だったかと言うと
頭蓋骨の中に臓器が詰まっており
頭蓋骨と肉と皮膚から剥き出しになって
ぎょろりと動く目玉がだ。

皮膚や口内粘膜ともまた違った質感で、艶もある。
目は正面だけを見たまま顔だけをずらすと、目は顔に埋まっているのに滑ったように動く。
不思議だ。

柔らかいのだろう。
ぴちぴちと跳びはねる想像をする。
もし跳びはねたならゴムボールを想像する
中には水が入っており
針でさせばプチンと割れるのだろうか。
プチンと
ああ
割りたいなあ。

♀―40

「髪ノ毛一本デ善イヨ」

貴方ハ美味いんだろうナ
フンWAリ良く香る髪ノ毛は
柔RAかソウで
先ずハ本当ハ尼、参、本 欲シイ。
アワヨクバ 毛根も…

事務所ニアル
貴方ノ椅子にくっ付いていタ
之HA 髪ノ毛?
ソウよ 嗚呼 召しても
宜、し良?

舌に絡MAセて
素敵
血液ナノニ溶け無

一本デ良イ。
私乃体内二在つて居テ。
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