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最初に散ったのは、桜ではなく、


もう、気がつけば5月。

卒業してから もうすぐ2ヶ月が経とうとしているのに、中学校での思い出は高校に馴染もうと頑張っている私を苦しめる。

たぶん人生の中で、中学校生活が一番楽しかったと記憶に残るのだろう。

朝、登校すると教室にはすでに5〜6人の友達が着ていて。先生が付けてくれる、古い大きなストーブの周りで談笑する。

ガラガラと、重い教室の扉が開く度に、あの人ではないかという期待に胸を踊らせながら じっと開いた扉を見つめる。


遅刻寸前のところで、学校に着いたあの人を 呆れる振りをしながら 遅れた言い訳を聞いてあげる。


休み時間には、自然と仲良しグループで集まって 騒いだり 恋の話しをしたり。



結局、私の気持ちはあの人に伝えなかった。
と、いうより伝えれなかったと言った方が正しいのかな。

同性を好きになることは、全然 恥ずかしいことじゃない と強く思ってるわりに、やっぱり自分は異端なのだと思っていたのかもしれない。

卒業式の日は、軽やかに晴れていて、たくさん泣いたけれど みんな希望に満ちた顔だった。

在校生からもらったチューリップの鮮やかなピンクは、今でも鮮明に浮かび上がる。




時々、学校の帰りのバスであの人に会う。(私は無事に合格しました。)
緑のチェックのスカートを着ている あの人は、幼さの残っていない もう大人の顔で、笑い掛けられるたびに泣きたくなる。

でも、きっと好きではないのだろう。

今なら、自然な笑顔を浮かべて 話せる気が、する。


卒業式のとき、2人で撮った写真は 未だに渡せずに机の引き出しの中。


さようなら、大好きだった人。

私の好きだった人は、もうどこにもいない。


卒業式の日に、忘れた。





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まだ見えぬ融点。

あの人は、先週 制服と一緒に携帯も買った。

堀北まきがCMやってるやつ。


メールが ほぼ毎日くるのは、すごく嬉しいんだけど。
なんか、覚えたての絵文字をふんだんに使ってるメールを見ると罪悪感みたいなのを覚える。

あの人が、知らないところで こんなサイトを作ってるなんて。
気持ち悪いくらいに好きでいるなんて。

すごく申し訳なくなる。


きっとこの事を知ったら、怒るのではなく きっと悲しむんだろうな。



卒業まで、40日をきった。

日に日に自分を抑えなくなるのが、わかる。

男子に嫉妬するなんて最悪だ。
嫉妬してるのに、表面上 にこにこしてる自分 最低。

いっそのこと、全部 言ってしまえば楽になるのに。


液体には融点というものがあって、一定温度以上になったら 状態変化して液体になる。


私の気持ちは温度ばかり上がっている。

早く、液体になってほしい。
薄く染み込みながら。


一体、私の融点は何度なんだろう。

隙間に隠れていた小さな思いは。

あの人は受かったらしい。
昨日から学校に来た。

まあ、私立の先願だから当たり前といえば当たり前だけれど。



なんというか、正直 喜べない。
我が儘な自分 大嫌い。

高校なんて、行かないで。


あの人は、家族とは仲直りしたらしい。



土曜日にお父さんとお母さんと一緒に制服を買いに行くのだと。


幸せな家族になるといいな。


入る隙間なんてないくらい。

雪の中で慟哭、かじかんだ指先。

初めて あの人が泣く姿を見た。
はっきり言って、見たくなかった。
あまりにも綺麗に泣くので、どうしようもなくなったから。


昨日の夕方、近所のコンビニに呼び出された。
会った時から、不機嫌。

何か悪いことしたかな、一応 謝っておいた方が良いのかな、思っていると
「公園、行こ」
と、ぽつり。



新しいお父さんが出来るのだとあの人は言う。

苗字も住所も生活も、新しくなる。
それが怖いのだと。


1年くらい前から、その人とは一緒に暮らしていて、昨日 ちゃんと再婚することを聞いたらしい。


あの人は、泣いていた。

新しいお父さんが嫌いな訳ではないけれど、幼稚園の時まで一緒に暮らしていた 優しいお父さんの記憶が 頭の中を巡るの。

弱々しく微笑んでいた。



「私、○○(あの人の名前)大好きだよ。」

気が付いたら 言っていた。

そしたら、
「うん、私も。」

今度は いつものように笑う。


今日、あの人は学校に来なかった。


昨日、私があの人に言った「大好き」は 友達と好きな人、どちらに向けて言ったのだろう。

弱みに付け込んで、言ったとしたら 私は最低な人間だな。


ごめんなさい。

その時、君はどうするか。

今日は あの人の私立の受験の日。

あの人は先願(そこの学校しか受験しないこと)だから、落ちることないと無いと思うけれど。



本当は、受験なんてしてほしくなかった。

高校に、行ってほしくない。


怖い。

新しい人間関係を築いていく過程で、私なんか あの人の頭の中から外へ追い出される事が。

忙しい高校生活の中で、いつの日か私の存在が忘却の海に沈んでしまう事が。


だけど、親のお金で生活している私が 他所の大切な娘に
高校に行かないで、
なんて言えるはずもなく、

だからと言って、
頑張ってね
と心にも無い事も言えなかった。



もしも、私が 行かないでと言ったらあの人は どうするのだろう。

ちゃんと、笑って流してくれるかな。
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