狂う胡蝶の華盛り

怒りは人間の生きる力となりうる

だから人は怒りという感情を持っている

それは静かに

しかし激しく

人を動かす力となる

使うところを間違えると

人は夜叉となる

欲望とは美しきものだ

欲望のままに人は生きる

だから輝いている

だがしかし

その欲望を

瞳に写してしまうと

醜いと感じてしまう

そんな感情を持った

人間のほうが

何倍も

醜い存在だというのに

求めるものは手に入らないものばかり

だから

諦めという言葉が存在する

欲しいのは

物が欲しい

人が欲しい

心が欲しい

どんなに求めても

手に入らない

諦めるか

求め続けるか

それは自分が決めること

理性などあっても無いのと同じである

だから人は醜い心の操るままに

理性の作った規律を破り

恐ろしき大罪を

何の躊躇も無いままに

犯しているのである

我が持つ理性など

無きに等しい

それでもなを

彼の人の前に

この

醜き心を

暴かぬように

理性という名の

脆い鎖に

繋がれる

ただ恨めしく見つめる我は醜いだけだ

それを知っていて

それでもなお

見つめるしかできない

醜き心を隠しながら

『笑顔』という名の仮面をがぶり

その仮面すらも剥がれかける

その仮面を被らずに

笑える日は来るのだろうか