話題:病気



「付き合ってから初めてのデートなんですけど…?」〜「好きだよ。」の続き⇒


これ以上、好きになったら大変だと思った。
まだ初デート。
まだ2週間。
別れるなら早い方がいい。

だから、もう一度キスされそうになった時、
ゆ「まだ…病気のこと、言ってない、よ…。」
って止めた。
ひろさんが
ひ「じゃ、このまま聞く。」
って続けようとしたけど、
ゆ「…真面目な話だから………!」
って降りてもらった。

もしかしたら、同じ病気の人が見てるかもしれないから正直に書く。
私の病名は二分脊椎。
医療的な説明はわかりづらいから簡単に。
私はこの病気では軽度な方。
下半身の感覚が人より鈍い。
腰に負担がかけられない。
排泄のコントロールが自分で出来ない。
そのために、
脚の怪我には気を使わなくちゃならないし、
決まった時間にトイレに行かなきゃならないし、
旅行の連泊はなかなか難しい。
なにより恋人にわかってもらわなきゃならないのは、sexが難しいこと。
出来ないわけではないけれど…。
同じ病気の人でもお子さんいる人がいるし。
……これに関しては未知な世界。

誰かにこんなに詳しく説明するのは初めてで、友達にも言ったことなくて。
情けなくて、申し訳なくて。
前から宣言してた通り泣いてしまった。
泣いて同情を引きたくはないから、必死で我慢したけど、無理だった。

黙ってじっと見てるだけのひろさん。
予想外な病気だったし、嫌気がさしても仕方ないと思った。
ゆ「理解してもらえなくても…それは仕方ないし、受け入れるし…。別れたいなら別れても文句言わないし…。周りにも…私が悪いって、言っていいし……。」
それでも何も言わないひろさん。
ゆ「……別れたい??」
再度、確認。
すると、真顔で
ひ「……泣き止むの待ってんの。」
なんて言う。
ゆ「……なにそれ!?」
ポーカーフェイスだから余計になに考えてんのかわかんない!!
少しイライラした声を出すと、
ひ「っていうか、泣く泣く言ったくせにあんま泣いてないじゃん!!本当に泣いてんのか!?目、うるんでるだけだろ!?」
ゆ「泣いてますよ!」
ひ「嘘つけ!!」
ゆ「泣いてるって!!」
意味がわからない言い争いが始まる。
真面目な話してるのに…。
なんか勇気ふりしぼって言った私って……。
再び涙が滲んだ。
そうしたら、ひろさんは……

……抱き寄せて手を握ってくれた。

ひ「……俺、病気とか言われてもわかんないからさ。なんとも言えないけど……。…でも、こうしてデートは出来るんだろ??なら、いいじゃん??」
ゆ「……でも、嫌になることあるだろうし、」
ひ「あるかもな。わかんないよ。気持ちなんて変わるもんだろ??だけどな、病気でお前を嫌いになることはないよ。性格の不一致とか……それで別れても…病気で別れることはない。」
きっぱり、そう言ってくれた。
ゆ「それ聞いて……気持ち、変わらないの??」
ひ「気持ちか…。…変わったかもな??――――いい意味で♪」
なぜかご機嫌なひろさんに私は??出しまくり←
ひ「病気とかそういうこと…俺に気兼ねなく言えよー??心配すんな??」
ゆ「……う、うん(´-ω-`)」
ひ「なにその顔(笑)??俺じゃ信用出来ないってか!?」
ゆ「んー…違う、けど……。」
ひ「ゆう??」
ゆ「ん??」
ひ「…………言ってくれて、ありがとうな??」
ゆ「だ、だって…、言わないと、騙してるみたいだったから…///」
ひ「そっかそっか♪」
ゆ「……本当に、いいの??」
ひ「ゆうは、別れたい??」
ゆ「……別れたくないから、泣いてるんです…!!」
ひ「よしよーし♪」
めっちゃ頭撫でられて、なんか納得いかない私はぶすっとしていて、そんな私をひろさんはしばらく抱きしめてくれていた。




続く。