■伝統的な流れ
黄泉の門的なものを祀る家や集落→巫女を使った儀式→儀式失敗→災厄起きて滅びる→巫女怨霊化→主人公夜中に単騎特攻。


■主人公
水無月流歌(17)…神隠しに遭った5人の少女の一人。音に強い感受性を持ち、ピアノを学んでいる。
          清楚で聡明だが、まさかの露出度という、TPOを気にしない一面も。
          幼い頃の記憶、父の思い出など、失ったものを取り戻すことを望んでいる。

麻生海咲(17)…同じく5人の一人。射影機を作った麻生邦彦博士の子孫。
         わがままで気が強いが、パンチラしてくれる気のいいところもある。
         失われた記憶を取り戻すため、円香を連れて島へ戻る。
           

月森円香(17)…同じく。おとなしく、いつも海咲の為に行動する少女。
         鬱いメモを順路にそって落としていってくれる、親切な人。
         記憶を取り戻すことに尻込みしているが、海咲を心配して同行する。

霧島長四郎(?)…元刑事の私立探偵。連続猟奇殺人犯、灰原耀を追い続けている。
          バイオのビリーをヒョロくした感じ。流歌母の小夜歌さんに首ったけ。
          神隠しの5人を見つけたのはこの人。
■他
灰原耀(?)…灰原病院の院長、重人の息子。冷たい目をしたおぼっちゃま。
       東京で灰原医院を開いていたが、人体実験めいた連続殺人を犯し、指名手配されている。
       10年以上行方不明。



169 :零〜月蝕の仮面〜◆l1l6Ur354A:2008/11/05(水) 13:51:40 ID:NrlenG8h0
序の蝕【咲き触れ(さきぶれ)】円香

十年前、朧月島で5人の幼女が行方不明になる事件があった。
幼女達は数日後、朧月島にある病院の地下で発見され保護された。
幼女達は無事だったが、事件以前の記憶を一切失っていた。人々は、神隠しだと噂しあった。

そして現在、5人は島を離れて成長し、それぞれの生活を送っていた。
しかし、5人の内、十萌と鞠絵が怪死する。死因は不明、二人とも何故か両手で顔を覆って死んでいた。
海咲は、誰かが5人を順々に殺していくつもりであり、その鍵が失くした記憶にあると推測。
記憶を取り戻すため、円香と海咲は島へ渡る。

朧月島では、八年前に住民のほとんどが死亡・失踪する怪事件があり、現在は無人になっている。
死亡した島民は皆、両手で顔を覆っており、生存したのは一人の少女だけだった。

自分達が入院していた灰原病院を探索する内に、円香は海咲とはぐれてしまう。
スピーカーから流れてきた曲を聴くと、円香は何かを思い出しそうになる。
本能的に危険を感じるが、海咲を置いていけず探し回る。
鏡を見ると、自分の顔が歪んで見える。院内を彷徨う内に怨霊に取り囲まれてしまう。【円香死亡】

170 :零〜月蝕の仮面〜◆l1l6Ur354A:2008/11/05(水) 13:57:46 ID:NrlenG8h0
一の蝕【音連れ(おとづれ)】流歌

流歌は、ピアノで一心にある曲を弾く。頭の中に残る一切れのメロディ。
それを弾いていると、神隠し以前の記憶の1シーンが再生される。
面をつけた少女が取り囲む中、これも面をつけて踊る巫女のような女性。その人は狂ったように舞い続け、そしてそのお面に亀裂が走って…
いつも記憶はそこで途切れてしまう。

病身の母小夜歌は、あの島に近づいてはいけないと流歌に言い聞かせる。
しかし流歌は、海咲と円香を心配して、自分も島へ向かう。

病院を探索する内に、円香の残したメモが転々と落ちているのに気付き、それを追うように進んでいく。
円香が徐々におかしくなっていく様子がメモに現れている。
失くした記憶が蘇るとともに、記憶が徐々に消えていき、錯乱していっているようだ。

古い新聞記事から、集団失踪事件よりずっと昔にも、朧月島に災厄が起きて滅びかけ、復興する為に観光地化したことが分かる。
他にも色々わかる。面倒なのでまとめてここで。

■朧月島
島民は古くから、月を信仰していた。月を魂の象徴として捉え、魂は月へ還ると考えていた。
それをたすける?のが朧月神楽。

■朧月神楽
今作の儀式。「器」と呼ばれる巫女が面をつけて踊り、同じく面をつけた5人の少女「奏」が楽を演奏する。
10年に一度行われる神事で、朧月島の人達には最も重要な行事。観光の目玉でもある。
10年前の神楽の日に5人は神隠しにあった。
同時に、その神楽で、「器」が心不全で急死し、祭が中断されている。

■灰原病院
朧月神楽の神官を務める、灰原家が経営する病院。
神隠しにあった5人は、いずれもここに入院or通院していた。
月幽病の治療を専門とする。

■月幽病
朧月群島の風土病と言われている精神疾患。
発病すると、記憶が徐々に消えていき、人格が破壊されていく。
月の満ち欠けに影響され、満月には安定するが、月の光を求めて徘徊する。新月には不安定になり、怯えや凶暴化が見られる。
病が進むと、鏡を怖がるようになる。証言を総括すると、自分の顔が歪み、流動しているように見えるらしい。
この状態を「芽吹く」と呼ぶ。
治療法は確定しておらず、灰原病院では実験的な治療が行われていた。

■月の音
島に伝わる古い楽曲の総称。朧月神楽で使用される。
これを月幽病患者に聞かせると、特異な反応がある為、実験的に患者に聞かせていた。

食堂で、円香が顔を覆って立ち尽くしているのを見つける。駆け寄り、声をかけると
円香が振り向いた。その顔はグニャグニャと歪み、蠢いていた。後ずさる流歌に、円香がすがるように襲い掛かってくる。
射影機で撃退し、鏡を見ると、自分の顔も同じようにグニャリと歪んで見えた。

171 :零〜月蝕の仮面〜◆l1l6Ur354A:2008/11/05(水) 13:59:59 ID:NrlenG8h0
二の蝕【共鳴】海咲

円香と口論した海咲は、鏡に映った自分の顔が、歪んで見えて驚く。
一瞬でそれは収まったが、今度は後ろに見知らぬ少女が移りこんだ。黒い服の少女は、振り向いてもそこに居た。
「あなたは…」
「忘れたの?」
突然、記憶が蘇ってきた。この病院で、幼い頃、自分はこの子と一緒に居た…。
少女の影に導かれるように、海咲は円香を置いて走り出す。

看護婦詰所で、部屋割り表と看護日誌を見つける。
そこに、自分と円香の名前もあった。円香は、亜夜子という年上の患者に苛められていたようだ。
亜夜子は、真性ドSまっこと悪魔の子の上、院長縁故の特別待遇で、看護婦も亜夜子には泣かされていたらしい。

その時、ナースコールが鳴った。見ると203号室、円香の部屋のランプが点灯している。
海咲は円香の事を思い出し、急いでそこに向かう。途中で書庫へ行くと、麻生博士の手記を発見する。

【月蝕の面】
朧月神楽では、巫女に面が使用される。昔、月蝕の面という特別な面が神楽に使われ「無苦の日」という大災厄が起きた。
それが一度滅びかけた理由。そして現在、また島民は死滅している。

海咲は階段で過去の情景を見る。
倒れている幼い円香。階段の上から、それを見下ろして嗤っている女の子。綺麗なドレスを着た、綺麗な女の子。亜夜子…。
円香の病室で円香を見つけたが、幻のように消えてしまう。
亜夜子の部屋で、亜夜子の怨霊と戦う。亜夜子を撃退すると、黒い服の少女が現れた。
その子に頬をなでられると、記憶がフラッシュバックした。
いつもこの子と一緒だった…。「たいせつなひと」。一緒に居れば大丈夫…。
「大丈夫だから」
追想から返った海咲を、懐かしい声が励ましてくれた.

172 :零〜月蝕の仮面〜◆l1l6Ur354A:2008/11/05(水) 14:04:04 ID:NrlenG8h0
三の蝕【忘日】長四郎

長四郎は、流歌の母、小夜歌に、島に渡った流歌を護って欲しいと頼まれる。
10年前のこの日も、長四郎はこの島に居た。灰原耀を探して彼の故郷に来ていた。
その日は10年に一度の朧月神楽の日。島民にとって最も大事な祭りという点にかけ、彼が現れるのではないかと踏んだのだ。
結局耀は見つからなかったが、長四郎の見ている前で、神楽の巫女が急死した。
同時に流歌たちが失踪し、長四郎も捜査に協力した。
数日後、病院地下にある洞窟で、5人を発見したのは長四郎だった。

回想から醒めると、いつの間にか灰原病院の前に倒れていた。
訝りつつも、病院内に耀の姿を発見して追跡する。見失うが、流歌の保護と平行して耀を追うことに。

手記など拾って色々勉強。まとめると

【空身】…月幽病患者がたどり着く末期。全ての記憶と自我が失われた、死に近い状態。非常に咲きやすい。
     大抵の患者は、空身になる前に自殺する。

【咲く】…「芽吹いた」月幽病患者が死ぬと、「咲いて」しまう。
     他の人にも、その人の顔がグニャっと歪んで見える状態。
      咲くととんでもないことになるので、患者が死んだら「面を刈って」しまう。
     
5人を見つけた地下道に行くが、流歌はいなかった。
あの日のことを思い出す。
5人の幼女が無表情にこちらを振り返ったあの日。
もう大丈夫だよ、と小さな体を抱きしめたとき。彼女達は、抑揚の無い声で「きらいごう」と呟いた。

173 :ゲーム好き名無しさん:2008/11/05(水) 14:05:40 ID:NrlenG8h0
とりあえずここまでです。
記憶が曖昧なので、間違ってるところありましたら添削してくださると幸いです。

175 :月触の仮面◆l1l6Ur354A:2008/11/05(水) 21:06:56 ID:otYEHTirO
長四郎が幼女五人を見つけた時はまだ制服警官では?


176 :零〜月蝕の仮面〜◆l1l6Ur354A:2008/11/05(水) 22:31:39 ID:NrlenG8h0
>>175
紛らわしい書き方でした。そうです、まだその頃は警察官です。
でも多分、派出所を拠点にしてただけで、本土から来た刑事だった…かな

177 :零〜月蝕の仮面〜◆l1l6Ur354A:2008/11/05(水) 22:56:46 ID:NrlenG8h0
四の蝕【空身(うつせみ)】流歌

うろうろしてメモ集めたり、千堂翳と馨のサブストーリー進めたりする。
翳はあんまり関係ないから省きます。要するに、紅い蝶の茜と薊みたいな…。
要点↓
・音の力や、面は、精神に直接作用する
・自分のカルテを見つけたが、苗字が「四方月」と書いてある。
【忌の宮】
面を刈った死者を弔う場所。その奥に、割と最近作られたような部屋が…

あと、大失踪事件で唯一生き残った女の子は、本土の病院で衰弱死したことがわかる。
最後の言葉は「おかあさん」だった。

今回の巫女と遭遇。伝統の即死追いかけっこ突入。
逃げ切って、自分が入院していた病室にたどり着く。

178 :零〜月蝕の仮面〜◆l1l6Ur354A:2008/11/05(水) 22:58:39 ID:NrlenG8h0
五の蝕【双面】海咲

「たいせつなひと」の手がかりを追ってウロウロする。
食堂の映写機で神楽の映像を見るうちに、自分が神楽を知っているのに気付く。
自分はあの日、面を付けて朧月神楽を見ていた。そして人ごみの中、後ろから伸びてきた手に連れ去られた。

上映が終わりに近づく中、スクリーンの前に円香が佇んでいるのに気付く。
映写機の光で分からなかったが、近づいてきた円香の顔は、グニャグニャと歪んでいた。

射影機で円香を倒すと、八枚のメモが後に残った。円香から海咲への、最後の手紙だった。
内容は大体こんな感じ↓
「海咲が私のことを、あの子の代わりのおもちゃにしていること分かってたよ。海咲のたいせつなひと。
つらかったけど、あの子のこと忘れてくれるなら、それでよかったのに。
でももういいよ。わたしは自分の部屋に帰ります。海咲も自分の部屋に帰って、あの子のこと思い出していいよ。いいよ…」

手紙は5枚で終わっていた。六枚目白紙、七枚目白紙
最後にポツンと
「いっしょに死んだら?」

自分の病室に行くと、さっきの黒服の少女が座っていた。
この子が、私の「たいせつなひと」だと思い出す海咲。
彼女に導かれるように、看護日誌や治療メモから自分の過去を洗い出していく。

・海咲は霊媒体質である為、月幽病の進行が非常に早かった
・医師や看護婦にも「たいせつなひと」は認識されていて、容態安定にかかせない存在だった
・もう一人、霊媒体質の患者が4Fに隔離されていて、海咲と会わせないように看護婦が気を遣っていた
・もう一人の「霊媒体質」は灰原耀の姉、灰原朔夜

等が分かる。
灰原親子の研究メモから、他の患者は、朔夜を救う為のモルモットだったと思われる。
言っちゃうと、亜夜子は耀と朔夜の近親相姦で生まれた子。そんで今回の巫女は朔夜。

ほいで、大失踪事件の生存者は亜夜子。

朔夜は、霊媒×月幽病のコンボで相当重篤な状態にあった。
看護婦や医師達は、彼女の顔がどうしても覚えられないことから、「かおのない人」と呼んでいた。
そして海咲は、自分が朔夜の顔を思い出せることに気付く。
優しい、美しい顔を…。

179 :零〜月蝕の仮面〜◆l1l6Ur354A:2008/11/05(水) 23:03:32 ID:NrlenG8h0
六の蝕【月守歌】流歌

流歌は、自分の病室で見つけたオルゴールのメロディで、幼い頃の記憶を取り戻す。
自分の昔の名前は、四方月流歌。父は、面打ち師の四方月宗也。
父は、「月蝕の面」という究極の面を求めて、ひたすら面打ちにのめりこんでいた。
「月蝕の面」は、かぶったものの記憶を零にして、魂の源泉「零域」のヴィジョンを垣間見させる。
父は、その零域を追い求める鬼だった。
試作品を次々と流歌にかぶせる内に、精神に影響を受けた流歌は月幽病に罹ってしまった。

怖いくらい集中して面を作る父に、幼い日の自分が呼びかけて
それに振り向いた父の顔が、幼い頃からずっと思い出せない。それが、流歌のトラウマであり、彼女のメインテーマでもある。

父は、月蝕の面制作という形で灰原親子の「帰来迎」計画に加担していた。
母は、流歌失踪に宗也が関わっていた事を知り、離縁して本土へ渡った。

懐かしい病室を探るうちに、昔の事が切れ切れに浮かんでくる。
母に教わって、一生懸命練習した曲を思い出す。あの曲はまだ弾けるだろうか?

180 :零〜月蝕の仮面〜◆l1l6Ur354A:2008/11/05(水) 23:10:14 ID:NrlenG8h0
七の蝕【無苦】長四郎

病院から忌の宮へ向かう道で、長四郎は八年前のことを思い出す。
耀は故郷であるこの島に潜伏している、そう信じていた長四郎は、警察を止めこの島を捜索していた。
そして島民大失踪の日、自分もその場に居合わせていた。
あの時、中庭から忌の宮へ下る階段を、ゆっくりと何かが昇ってきた。人々は逃げ惑い、顔を覆って死んでいく…。
それは女だった。顔はよく見えない。辺りを見回したとき、捜し求めていた耀の姿を、病院屋上に見つけた。
とりあえずその女から逃げて、そして…?

【帰来迎(きらいごう)】…観光行事化した朧月神楽の、真の姿。
      基本は変わらないが、器と奏が激選され、器に「月蝕の面」が用いられる。

・灰原親子は、朔夜回復には、「帰来迎」を行うしかないという結論に達していた。
 朔夜を器にすれば、彼女の失ったものもそこに注がれると考えたらしい。

・朧月神楽の日、選び抜いた5人の少女を誘拐して「奏」とし
 地下道にある祭壇で、帰来迎を執り行った。
 しかし、面は割れて儀式は失敗。朔夜は生きながら死んだ状態になってしまう。
 帰来迎失敗の余波で、表の朧月神楽の巫女が急死する。
 儀式中断によって空身となった5人の奏達は、地下道に隠された。
 そこで、天井の割れ目から注ぐ月光を浴びせることで、ゆっくりと回復に向かっていた。