何があったのと、優しく問いかけられたのがたまらなかった。
こらえていたものが溢れ出しそうになる。
「俺の、」
俺のせいなんだと絞り出すみたいにしてなんとか口にした。
何のことだと言わない彼を誰よりも愛しいと思う。
「俺が」
「はな、違うよ」
遮るようにして名前を呼ばれて縋る気持ちで顔を上げた。
「親父さんが亡くなったのはおまえのせいなんかじゃないよ」
途端に視界が滲む。
愛しい人がぼやけだす。
「そんな…」
そんなことは無いんだと口にする前に頭を撫でられてさらに世界が揺らぐ。
ようへい。
「違うから花道。悪くない、おまえじゃないよ」
「違う…ようへい、俺が…っ!!!」
ほとんど泣いていた。
ぐちゃぐちゃになった自分を洋平が優しく見下ろす。
「いいよ」
心地好い彼の声に心酔する。
「たとえそうなのだとしても」
どうしてだなんてそんなことを問う余裕は一切なかった。
ただその一言に全部洗われた気がした。
許すのだと彼は言う。
こんな俺を。
こんなにも汚い俺を。
「ようへい…」
はなみちと彼が四文字を口にした。
そっと彼のシャツの裾を握ってもう一度名前を呼んでみた。
変わらない声色で同じようにして彼もまた四文字を口にする。
こんなにも誰かが自分の救いとなる瞬間があるだなんて生まれて今まで思いもよらなかった。
愛しいとか愛しているとかそんなもんじゃあ片付けられない感情がこれで、こういう時人はどんな言葉を口にするのだろうか。
足りないこととか、違うこととか分かっていてそれでもなおかつ愛しいのだと愛を語るのだろうか。
目の奥が熱くなるのと同時に彼を見る。
見上げた先の彼はやっぱり誰よりも美しかった。
終わり
所謂リハビリ。
皆様お久しぶりです。
ずいぶんと長い間放置してしまっていますがなんとか生きています。
気が付けばクリスマスも終わり、もう一週間もしないうちに今年も終わりなんですね。
なんて早い。
私生活の方はだいぶと落ち着きを取り戻してきました。
けれどもどうしても最近は文字を紡げずもどかしい毎日です。
リクエストをいただいているものや書きたいもの等、放置している場合ではないのですが…。
本当に申し訳ございません。
最近少しずつリハビリを始めました。
ゆっくりとではありますが文章を書いております。
このまま暖かく見守っていただければ幸いです。