ある雨の日のこと。機械から聞こえる温かい声に耳を澄ませる晩に来訪者が来ました。

帰宅することの出来なくなってしまったと口にする男の子を出来る限り家に入れたくなかったのだけれど、どうにもこうにも選択肢はそれしか残されておらず、家の中に入れることにしました。

この家の最初のお客様がこの男の子であることを、喉に刺さった魚の骨のように感じられるけれど、仕方がないですね。

あの晩、その男の子と共に部屋には奇妙さがなだれ込み、真夜中は橙色に浸されたのでした。


雨の匂いが漂う日に、天気予報でも夕方に雷雨とのことですいすいと自転車で家に帰ろうとしたら、パンクしていることに気付きました。ガタガタと鳴いている自転車を押しながら、自転車屋さんへ電話をしたらすぐに来てくれたのだけれど、電話を終える頃に雷はゴロゴロと近付き、自転車屋さんが着いた頃にはどしゃ降りでした。

これが漫画に描かれるような、いわゆる“ツイてない”という状況なのだろうと、ひんやりと冷たくて痛い雨を浴びながら感じました。




そう言えば、GWに卵の黄身のようなスーパームーンを見ました。とても眩い光を放っていたので、虚ろに月を眺めるわたしに夜の影を落としていました。ちなみにその日には流星群も流れていたのだけれど、月が明るくてうっすらとしか見えませんでしたが、迚素敵な時間でした。

いつもの真夜中、こっそりと青い箱から飛び出すことは、まるで玩具が人々が眠りに落ちる頃に動き出すのと似ています。あの晩もまた星が降っていて、いつもの場所でそっと目を閉じていたのです。


綴りたいことが沢山あります。感じたことや考えたことは、それらが生まれて間もなく綴ってあげたいものです。

それでは。