見るともれなく滅入るのですが、時々有効な事も書いてある武田氏のブログ。
最近、音声更新が多いです。
プリントアウトもできないし、音声更新は好きではないのですが最新更新で福島についてのことが言われているようなので聞いてみました。
不覚にも納得しかけてしまいました。
不覚なのか?
納得してないのか、と言う理由は後で。
福島の物は外に出すな、が主張の武田氏。
音声更新の内容はざっと説明するなら
「法律により毎時0.6マイクロシーベルト以上の所(内部被ばくを計算に入れない年間1ミリシーベルトの範囲)は警戒区域とし、そこから出る物は厳重に管理されなければならないと決まっている」
「福島には北部を中心に0.6マイクロシーベルトの所が多くある」
「福島がそれらの所を警戒区域とし、そこに住んでいる人は検査をして出入りをさせ、そこの中のモノを出さないようにすれば、他の0.6以下の場所のモノや人は動かせる」
「けれどそれをしないなら福島全て、あるいは東北全てが警戒区域とみなして人やモノを制限すべきだとみられるのだ」
というものです。
加えて
「例えるなら全身泥だらけの人がそのまま車に乗ろうとしたら、ちょっと困ると言うだろう」
とも言っていました。
‥‥ちょっと、納得しかけました。
ただ、例えるなら私達がかけられたのは泥、という甘っちょろいものではなく、無色透明のペンキ(シンナー入り)だと思うのです。
一度着いたら最後、なかなか落ちない。
洗ってもこびりついてしまっているし、臭い匂いもする。
しかも多量にその匂いを嗅いだら身体を悪くすると言われている。
ペンキが付いても目に見は見えないし、付いたことも解らないし、直ぐに身体に影響が出るわけでは無い。
けれど、いつか身体に害が及ぶ可能性がある。
そんな感じではないでしょうか?
そう考えると自分を支えてくれる人にペンキを付けたくないなとも思いますし、ペンキが付いてない人達が自分達にはペンキを付けたくないと拒否する気持ちも解らなくはありません。
でも、かといって福島県を0.6マイクロシーベルト以上と以下に分けてというのには納得するわけにはいきません。
そんなことをすれば福島が完全に壊れてしまうからです。
0.6だと中通りの主要都市、福島、二本松、郡山その全てが警戒区域になり、福島の機能はマヒします。
約100万人の人が住む場所を無くし、故郷を出ることになるでしょう。
住むことを許されたとしても、自由な外出もできず物流も禁止されるとなったら、人はまともに生きられません。
さらなる差別を生みますし、会津地区と浜通りが分断され、一つの県として機能しなくなるでしょう。
地震直後であれば、それも受け入れられたかもしれません。
でも、震災から6カ月も過ぎた今更、全県避難などできる筈もないのです。
「避難すればいい」
「元々福島はもう人の住む所じゃない」
と言うのは外からの言葉で今まで、さんざん聞かされてきました。
でも、現実に100万人の生活を、どこかが受け入れてくれますか?
崩壊する県政を、どこかが支えてくれますか?
無理な以上、私達は福島に住み続けるしかないのです。
武田氏の言う法律、
原子力基本法と放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律は昭和30年代に作成されたもの。
当然、今回のような事態は「想定外」でしょう。
事故を踏まえた暫定的な法律を作り、健康調査をしつつ居住を認める事。
基準値を安全値に定めた上で、基準値を超えない品物の流通を認める事。
本当に危険な地域からの避難支援、除染の支援などをする。 そういう福島を見捨てない措置を改めて国には取って欲しいと真剣に思いました。
最悪福島を割るのなら今のままでもいい。
一部の地域をスケープゴートにして他の私達の地域が安心するあれば私は福島全部汚染地と見なされても一緒に戦って行く道を選ぶと思います。
判断は人それぞれでしょうけれど。
日進市の花火から微量のセシウムが検出されたとニュースでやっていました。
最大で40ベクレル以下ということですから。
大雑把な計算で言うとひとつ0.1〜0.2マイクロシーベルトでしょうか?
影響が出るとしたら花火の中に入っている金粉を拾う様な確立だと思いますが、検出されたのなら別に無理に打ち上げて欲しいとは思いません。
見えないペンキをかけられた福島とどう付き合って行くか、決めるのはそれぞれの人でしかないのですから。
匂いは偏見と恐怖。
見えないペンキとフクシマの戦いはまだ終わりが見えません。
前提1:有害な放射性物質は、基本的にすぐには無くなりません。
これだけを前提にすると、対策は閉じ込めだけになります。
前提2:放射性由来の疾病を引き起こす放射性物質には、疫学的に閾値がある。解りやすくすると、統計的には、微量の放射性物質は無害である。
みんなは、これを知らないから、大騒ぎしています。
で、これを前提に加えると、放射性物質の害を解消するためには、どんどん拡散すべきであるという結論になります。
ご参考まで。
お金がかかったり命の危険があるときもあります。逆になにもなしにひとを助けるられることのほうが少ないのではないでしょうか。
見えないペンキを塗られたような気分、自分ではなにもわるいことをしていないのに、つらいですよね。
たとえそんなペンキを塗られたとしても、臭いがしても、体によくないとしても、
車に乗せるひとは、それも覚悟の上で助けてくれると思います。
現実的には車に乗せてくれるひとは少ないかもしれませんが
ペンキを落としたり、助けられる状況が、少しずつでもできてくるようにしたいです。