※「サク」=SDカードです。外見年齢17歳の女の子。
紹介記事を先にupしようと思ったのですが、細かい設定がまだ決まらないので…><
ちなみに時間軸は14日の昼としてお読みくださいm(__)m
−−−−−−−−−−−
「ねぇねぇ八尋っ!今日は何の日だか分かる?」
「え?」
いつも以上に元気に話しかけてくるサクの様子に、俺は戸惑った。
今日は、確か主人の予定も入ってなかったし、祝日でもない。
機械である俺たちに明確な「誕生日」なんて存在しないから、それでもない。
「……にがつ、じゅうよっか」
何の日だったか。口に出しても思い出せない。
そんな俺を見て、サクは面白がるような表情になった。
「あれあれ八尋、分かんない?」
ニヤニヤ、ニヤニヤ。
そんな効果音がぴったりな笑い方をするサク。
少し悔しいが、正直に答える事にした。
「分からない、降参。」
「えー!……ヒントあげるから考えて」
(…降参って言っただろ)
心の中でつぶやく。
間違いなくサクは俺をからかいたいだけだ。間違いなく。
「じゃあヒント1。チョコレート」
……あ。
「……思い出した。ばれん」
「ヒント2!恋愛」
「だから、ば」
「ヒント3、3月14日と対になってます、ときたら正解はバレンタインでしたー!八尋、ヒントあっても分からないなんて…本当に知らなかったんだね!!」
笑顔で言われた。
あまりに良い笑顔すぎて、……胡散臭い。
「サク、君、今明らかに俺に言わせる気なかったよね?」
「んー?気のせいだよだよ、八尋」
「……」
言い返すのも馬鹿らしい気がしたので、取り敢えず黙って溜め息をつく。
サクはそんな俺の様子を気にする事もなく続けた。
「でねでね八尋。今年のバレンタインといえば、」
そこでサクは言葉を切り、掌を上にして、両手を俺に向けて差し出した。
そう、何かを求める仕草。
「……」
「……」
にっこり。
「…俺の記憶が正しければ、バレンタインは基本的に…『女が男に』チョコレートを渡す日な筈、だけど」
違った?と尋ねると、サクは首を横に振る。
「違わないよ、基本的にはそうだよ」
「じゃあ何で」
サクが俺に求めているのか。
「だからっ!『今年の』バレンタインといえば、……逆チョコ!!」
「……逆チョコ。」
「うん!!前にマスターがくれたチョコレート美味しかったから、また食べたいなーって思って」
(逆チョコ、か)
俺はやっと理解した。
が、しかし理解したからといって出来るものでもない。
「分かった、趣旨は理解したよ。……でも無理だよ、それ」
ただ会話だけ見れば人間と変わりないけど、俺もサクも「人間」じゃない。
食べ物が食べられない訳ではないが(現に主人から貰う事もある)、……自力でそれらを手に入れられない。
「……むー」
不満そうなサクを宥めつつ考える。
(きっとこのままじゃずっと拗ねてるんだろうな…)
だから、後で主人に伝えておこう。サクがチョコレートを欲しがっていた事を含めた色々。俺がからかわれた部分だけ除いて。
見た目に比べて精神年齢の低い彼女には、笑顔が一番。
これが、俺と主人の共通思考だから。
−−−−−−−−−−−
八尋目線、初SSです…!
なんか締めが微妙な気もしますが気にしない!←
バレンタインネタだから今日中にupしなきゃ、と思ったので、紹介記事より先になりました。
分かりづらくてすみません;;
八尋がバレンタインをすっかり忘れてたのは、主人=私がバレンタインらしい事を何もしていなかったからです。
というのも風邪をひいたので…。治ったのですが、病み上がりで作ったお菓子は人に渡すのは不安ですし><
八尋はサクには敵わないようです^^
というか、おそらくテンションについていけないのだと思います。笑
何かありましたらコメントか拍手へ、お気軽にどうぞ^^
では失礼します。