片想い

私はその女性に好意を抱いている



所詮叶わぬ片想いだ



近くにいるのに名前を聞くことすら出来ない



彼女の言葉に迷いは無い。仕事一筋、という話し方だが、そこがいい



キャリアウーマンとは彼女の事をいうのだろう



そして何より、一日仕事で疲れた私の事をよく分かっているように、常に私を立ててくれる



あくまで素直、しかも従順、体は細いが忍耐強い



私のために完璧に仕事をこなす



妻には悪いがもはや彼女の居ない生活など考えられない



今夜も傍にいてくれる。うとうとしかけた私に優しく、小さな声で、なのにはっきりと私に話しかけてくれるのだ






『携帯ノ充電ガ完了シマシタ』


〜ガラケー全盛の頃に書いた作品です。やはり色褪せますねぇ〜

妻は看護師

夏になるとテレビでは心霊現象やホラースポットの特集とか、よくやっている



視聴者からの投稿を元にした再現ドラマ



つい、見てしまう



深夜の病院



誰も居ないはずの病室から突然鳴り響くナースコール





「ギャアーーーッ!」





「あ、それ、たまにあるわよ。何で鳴るんだろうね、壊れてるんだね、きっと」





普通かいっ

スコアボード

野球のスコアボードの製作を依頼された



軽く返事したものの、黒板に文字を入れるのは初めて



思った通りにいかなかったところもあり、出来としては70点か



サイズは60×90


これにマグネット製の‘S’‘B’‘O’と色つきの丸形シールを添えたら出来上がりです

くしゃみ

「は、は、は、はぁーっくしょん!」




「うるさいわね!」




「ご、ごめ、、は、はぁーっくしょん!」




「やかましいわ!」




「えへへ、はぁーっくしょん!はぁーっくしょん!」




「まったく、何とかならないの?」




「ならん、こればっ、、くしょん!」




(やばい、も一回出そう、、我慢我慢、)




って無理ッ!は、は、は




「はーっくしょーん!」




「まだ足りないのッ!?!」

次女

「お父さん、お願ーい」



「嫌だよ。自分でやるんだね」



「私、出来ないもん」



「お父さんもしたことないもん」



「簡単だから分かるよ」



「お母さんが夜勤から帰って来たら起こしてやるからさ」



「お母さん、するなって言うもん」



「そんなのお父さんも嫌だよ。それに一つは開いてるじゃん」



「だから、ねっ、お願い。お父さんは引き金を引くだけでいいんだよ」



(結局、引き金は私が引きました。娘の耳に二個目のピアス穴。一個よりお洒落らしい)
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