きみはわたしを

だきしめるし

なぐさめるし

かわいがる

たまに手をつなぐ

けれど

恋人にはなれなくて

きみには彼女がいないけど

おくさんもいないけど

わけあって

わたしが彼女になることはできなくて

それをわたしは

飲み込んで一緒にいる

くちづけもなければ

溶け込むこともないことを

ときにさみしくもおもうけど

それをきみは

わかっていたとおもう

わかっているとおもう

あの夜、ついにわたしはなきだして

きみは

ああ、といった顔をして

困ったような真剣な

そんな顔をして

ずっと見つめて

なみちゃんは、

おれのことがすきなん?

そう聞いた

その声が優しすぎて

わたしは

すごく泣いて

泣きながら無言でうなづいて

泣きやまないから

きみは頭をなでてくれたかもしれない

きづいたら朝で

うなづいたことは

わすれたことにした

昨日なんか言ったかな

何も言ってなかったよ

そう言ってわたしたち

またなかよく笑いあっていたよ


いつか

そんな日のことをおもいだして

きみは

なんて思う?

わたしは

楽しかったことだけ

愛しかったことだけ

大切にされたことだけ

宝箱にいれておくと思う




この一年、すごく

すごくしあわせだったこと

きみの声

やさしくて

ずっと聞いていたいと思ったこと

なみちゃんがどうやってだれとしあわせになるかは

なみちゃんが決めたらいいよって

言葉なくとも伝えてくるきみが

やっぱりいちばんやさしくて

この上ないこと、それは

だだをこねながらもわたしが

一番よくわかっているの

わかっているから

わかっているけど

きみがだれかの髪をなでたり

いとしい目をむけることは

いまも先も

かんがえたくはないな

わたしのほうがおとなになれなくて

ごめんね

きみにはしあわせになってほしい

だれにもなににも傷つけられることなく

生きていてほしい



きみの未来にわたしがいるかどうかなんて

今は何にも言いたくないよ

言いたくないよ