ほんとのすきは

わたしには正直

まだわからないけど

ほんとのすきを

さっき

もらいました




うれしいとこわいが

交互におしよせて

泣き出しそうだった




溢れそうなのをこらえて

顔を隠して

言葉でてこなくて

だからとりあえず

ありがとうと

うれしいと

こわいを

繰り返して伝えた

パニックなんだって言った




手を繋ぐくらいが

精一杯だった

あったかくて

お兄ちゃんみたいな手だった

にこにこして

こっちを見ている

思いがけない言葉を

この2日間で

君に何回言われたかわからない

しまいには並んで座ってたベンチを降りて

向かいにしゃがんで

まっすぐに目を見て

伝えてくれた

そこから君は

動かなかった



わたしのしたいこと

おもってること

全部全部優先しようとする

ゆっくり話を聞いてくれる


夜道があぶないから

車道側はあぶないから

絶対歩かせないと

しつこく言うのは

昭和のひとみたい



会いたげなそぶりしたら

タクシーと歩きと

電車と電車をのりあわせて

仕事の合間縫って

飛び出してきてくれた



そんなことされたら

会いにくる前から

もうわたし

泣いてた




どこの海かもわからない海で

沈んで息ができなくて

このまま海の底に

落ちてしまおうかと思ってたところに



何ももたずに海に飛び込んで

まっすぐにこっちまで泳いで

だきしめて救いあげてくれた

息ができることに

びっくりした




とつぜん助けてくれたけど

あなたは誰ですかって

真面目に言ってしまったよ




わたしのこと

君のこと

まだ何も知らないと思う

なのに

そんなことのほうが知らないって

笑ってしまうくらい

優しくて

あったかい手だった





わたし

ちょうどいま

あんなことや

こんなこと

全部から

助けだしてほしかった






すきって言っちゃいそうで、追記

でもこれはたぶん

ほんとのすきとはちがうんだ 

わたしはほんとのすきを知らないし

きみはほんとのすきを求めてない

だからきっとちょうどいいんだ



でもね

4月から毎週1、2回だけど

9月になった今も

欠かさず会ってる

君の実家かわたしの家で

毎週お泊まりもする



わたしも会いたいし

君も会いたくて連絡をくれる

やりとりは毎日してる

四六時中じゃないけど

仕事がおわる決まった時間には

毎日すぐ返事をくれる

そんなこんなで

いろんなことのすべての頻度と熱量が

すごくここちよくて

お互いが一途なことも

わかっていて安心してる


もう5ヶ月もこうしていることに

今、気づいてびっくりしたけど

この関係が

いつか終わってしまうのかなぁと

かんがえるとさびしくなる



一方的なすき

一方的な会いたい

そんなのばかりで

鬱陶しくなったりなられたりで

疲れてたから

君には甘えてこられても甘えても

ちゃんといとしくなることが

心地いいなぁとおもうの




セックスなんてなくても

抱きしめあって

じゃあまたねってさよならでも

全然さびしくならないよ

ふざけ気味に手を振る君もかわいくて

それだけでも満たされるのは

どうしてなんだろうなぁ



だけど

一生このままでも

居られないよなぁ



このまま浸っていたいなぁ

今が幸せだなぁ

だって

さよならしても

なにかしあわせが

降ってくるわけじゃない

今よりもおだやかなしあわせが

どこにあるというんだろう

痛いかもしれないけど

真面目に

そう思ってしまうの



これは遊びじゃないよ

真面目に

きみのことを

男の子としても

人間としても

愛しているとおもう










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