ほんとうに
それは
魔法のようだった
先生は
さよならの前にこう言った
すてきな宝箱をおもいうかべて
そこに、今日話したことをつめこんで
そしたらそれを
なみさんのこころのなかにしまってね
今日、先生と
とても深い話をして
わたしは途中
なみだが溢れそうになりながら
ゆっくり、絞り出したことばで
伝えるように
先生にひとつひとつ
話をした
先生はひとつひとつ
受け取ってやさしく置くように
話を聞いてくれた
質問をたくさんされて
うまく言葉が出ずに
こたえられないこともあったけど
今までだれにも話してこなかったことも
色々ひきだしてもらったとおもう
カウンセラー
みたいだった
実際そうなのかもしれない
先生は
心理学をたくさん
お勉強されてるんだろうなと思いながら
話していた
きづいたら
2時間が過ぎていた
まったくしんどくなかった
たのしくて
ゆったりした時間だった
先生がかけてくれた魔法は
たぶん一生とけることがない
過去のおもいでは
わたしが生き抜くそのあいだずっと
そっと見守るように
ほほえんでいるような気がした
わたしは
ちゃんとしあわせだったし
ちゃんとがんばったし
これからもがんばれるとおもう
だから大丈夫なんだなって思えた
人生を楽しむ術だって
ちゃんと自分で見つけられたよ
今、しあわせだなって思って
生きているよ
17さいのわたしに
教えてあげたいな