ほんのむし

話題:行くあてのない気持ち

まったく性欲のない期間が半年ほど続き
しろたとセックスしたいとおもえなかった

それなのに最近
しろたとセックスできるようになった

くろださんにぶつけられない欲望を
しろたにぶつけて
満足しているのだろうか

くろださんにふれてしまわないように
人目のある場所で飲むようになり
すきだということは口にせず

頻繁に連絡を取り合うこともしない

しろたを
くろださんの代わりに
しているのだろうか

最悪だ

はやく別れなければ
しろたの時間をむだにしてしまう

自律しなければ
ずっとだめなままだ

話題:本日の恋心模様

落ち着きました
同じ布団で眠ったりもしたけれど
ばいと先でビールを注ぐたびに

おいしそうにビールを飲む黒田さんを
思いだしたりもしたけれど

じぶんのこころが
黒田さんをすきなのを認めたら
逆に楽になりました

恋愛じゃなくて
友愛や家族愛でも
愛情はあるじゃないかと

納得して
こころが落ち着きました

話題:本日の恋心模様


くろださんが遠いところから
帰ってきて

わたしもれぽーとが終わり
約束していた餃子をたべにいきました

とても美味しかったけど
もっと安っぽい餃子がすきだなと

たくさんビールをのんで


おうちで飲み直して
ぼーっとしてたら
口にちゅーされ

「怒ってる？」と顔色を伺うふり
皮肉な表情

もう会えないなとこころのなかで
おもっても
ことばにならず

途方にくれて

れぽーととバイトで
三日眠れなかったわたしはうとうと

今度は
押し付けるようなキスで起きる


わたしにしろたがいるのが
いやだと
遠くにいるあいだ
麦は元気かと思っていた

と


東京に帰った方がいいですよ

たまたまわたしが近くにいて
よく飲みよく話すからだと

こころにもないことか
あることか

非道いことを言いました

話題:気になる人


昨日まで精神的にやばかったから
飲みましょうと連絡がきて
一緒に飲んでいたら朝になって、

すきですよ、といわれた

人間的にかとおもって
ありがとうございます
といった


結婚できますよ
といわれた

特に何も言えなかった


しろたがいるのを
くろださんは知っていて

くろださんは
宗教やあまいものみたいに
中毒性があるけど

それはしろたのように
積み重ねたり築いたりする
そんなものではないと

翌日になって
つたえた


それでも
くろださんから連絡がないかと
おもう日もある

ほんとうに中毒性があるのだ

こまったな

話題:本日の恋心模様


今日の夕暮れ時、霧雨が降っていて、沈みかけのオレンジが雲に投映されていた。くすんで曇った暖色が、雨に濡れて光る緑の切れ間にぽっかり浮かんでいて、くろださんもいい景色ですね、と言うのではないだろうかと、ふと

携帯が鳴るたびにいちいち気持ちを抑えこんで、連絡は来ないと思い込んで、哀しくならないように、傷つかないように我慢している

しろたはまた酔いつぶれて帰ってくるのだろうか

にげたい