紅茶一杯。



腐れ縁(バトン)
2015年4月14日 18:01

コンビの片割れの同僚視点になってしまいました。



切っても切っても切れない縁。そんな彼らの会話です。好きなように創作の糧にしてくださいませ。



「苦労したことがない?誰のせいでこっちは苦労続きだと…」
コンビになった先輩がしょっちゅう言う台詞だわそれ。とケラケラ笑いながらパンをかじる同僚を見て、ああこいつと組まされなくて本当に良かった。と、先輩に同情し自分の幸運に感謝し、弁当のご飯を口に含んだ。



「寂しい…?いやいやいや、ただなんというか…あいつが居ないと静かで落ち着かない」
入院した同僚の見舞いに来たら、件の先輩がドアの前でウロウロしてたので声を掛けたら病院に入ってるカフェに誘われて話してる流れでそう言われた。
温かいコーヒーを飲みながら、先輩はもう同僚に毒されてしまったんだな…ご愁傷様です。と思いつつ、落ち着かない様子の先輩に適当なフォローを言った。
あいつが入院した理由、雪降ってテンション上がって屋根登って落下だからね。これを許せる先輩はもうあいつに染まってるよ。



「連絡!ほうれんそう大事!心配かけんな!」
涙声で電話越しに叱ってる先輩に、初めて同僚にちょっとムカついた。無鉄砲な正義感を羨ましいとも思うけど、心配する人が居るって事をちゃんと理解して欲しい。ボロボロな顔して「お前にも心配かけちゃって悪かったな」なんてしわがれ声で言われて、いつも通りの返しが出来なかったのは許せよ。



「縁って言うなら好き好んで一緒にいるわけじゃない俺とあいつの関係はなんだ。…腐れ縁か」
なんでか知らんが同僚とコンビ組んでる先輩と酒のんだ。しかも酔って饒舌になった先輩がそんな事を言い出した。
はぁ、まぁ、そうですね。的に流す。
いやー先輩は随分と同僚を気に入ってますよ〜!と出かかった言葉はなんとか酒で流し込めた。
出るわ出るわ同僚の愚痴を聞き流しながら慰めながら、その瞳が徐々に優しくなって愚痴から褒める内容になって……その後の記憶はない。多分シャットアウトした。本能が危険を察したような気がする。
確実に先輩は同僚に染まってる。自覚がないみたいだけど。
何に発展しても構わないけど、自分を巻き込むのだけは勘弁願いたい。



ありがとうございます、お疲れ様でした。

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思いっきり見切り発車でしたが完走できて良かったです。


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