毎日とても穏やかで、
穏やかすぎて、
だからこそ繰り返し思い出す
過去は美化されるって本当だ
だけどどうして熱量は風化するのだろう

この季節の深夜が心地よくて
ベランダから眺めていると
どうしてかわからないけど、感情のない感情が満ちていく


手をつないでいたあの日、
死んでしまうほど

素敵な旅だった

こっそり頬を寄せて

あなたが運んできた、知らない香りを

薄汚れてしまったこの肺一杯に

一杯に

吸い込んで

だけど、

つぎの瞬間にはもう

あなたを

忘れてしまう