23:12 2018/9/23
話題:映画感想


恐怖度 ★★★★★
グロテスク度 ★★☆☆☆

公開年:2016年
配給:ソニー・ピクチャーズ
監督・脚本:フェデ・アルバレス
音楽:ロケ・バニョス
出演:ジェーン・レヴィ、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾヴァット、スティーヴン・ラング他

舞台はアメリカ合衆国ミシガン州に位置する都市、デトロイト。経済破綻し、ゴーストタウン化が進行する街に住むロッキー(ジェーン・レヴィ)は養育放棄した両親の許で妹のディディー(エマ・ベルコヴィシ)と暮らしていた。彼女はディディーにいつか一緒に家を出ようと約束を交わしていたが、特に職を持っている訳ではないので逃走に必要な資金を得られる宛てもなかった。そんな折、恋人のマネー(ダニエル・ゾヴァット)から地下室に金庫を持っているという盲目の老人(スティーヴン・ラング)の自宅への強盗計画を持ち掛けられ、ロッキーはマネーと友人のアレックス(ディラン・ミネット)と共にその家へ侵入する。だが、実はその老人は元軍人で、視力を失いながらも超人的な聴力を持っていた。しかも彼は、屋内で遭遇したマネーを容赦なく殺害してしまう程の恐るべき男だったのだ。迫り来る彼の手から免れる方法はただ一つ。それは静寂を保ちながら「息を殺す」事。迂闊に物音を立てれば、老人に殺されるのは必至だろう。最悪最大の危機に直面したロッキーとアレックスは、果たして無事に脱出出来るのだろうか。

何処から老人が攻撃を繰り出すか判らない。襲われたら最後、待ち構えるのは地獄のような苦しみだけだろう。そんな不安と恐怖に満ちた空間内で繰り広げられるのは、決死の脱出劇。「駄目だ、殺してはならない!」と思わず叫びたくなる場面があり、まるで『REC』のように自分が事件の目撃者になっているような感覚を味わえる。また、盲目の老人(本名はノーマン・ノードストローム、エンドロールでは"Blind Man"表記。)に扮するスティーヴン・ラング氏の演技は『黒い家』の菰田幸子を演じた大竹しのぶ氏の演技にも負けない程の迫力がある。『鬼気迫る表情』というのは、まさにロッキー達に襲い掛かる彼の表情の事を言うのだろう。ちなみに、盲目の老人は一頭の大型犬(名前は不明。犬種は恐らくロットワイラー*)を飼っている。その犬はかなり訓練されているようで、老人の指示一つでロッキー達を的確に追い詰めて行く。犬が人間を襲うという点はスティーヴン・キング氏の小説が元となった映画『クジョー』*を彷彿とさせる。(私が観たのは本編のほんの一部だけだが。)

*ロットワイラー
ドイツ出生の牧牛用・警備用の犬種。牛を倒す事が出来ると言われている程、逞しい身体つきの大型犬。
*『クジョー』
スティーヴン・キング氏の小説『クージョ』が基となった恐怖映画。森の中でコウモリに噛まれ、狂犬病を罹患・発症したセント・バーナードのクジョーが引き起こす恐怖を描く。





-エムブロ-