ぬるい布団にくるまって
0.2秒後の未来を見てね
果てない夜空の間には
無数の駅があなたが乗った
電車が来るのを探してる
遅いあなたの帰りを
ずっとずっと待っている

あなたが気付いていないこと
冷めたスープ
届かなかった手紙
あなたの寝顔
電車に乗ってこの世界に
やって来た最初の日

ぬるい布団にくるまって
思うことは不安だらけで
月が無い夜空の向こうに
小さい頃の秘密基地が
まだそのままそこにあること
知らないまま
知らないまま

夢になる お話の中で
ただそこにある真実に

風が誰かの手のように
あなたの肌を撫でたとき
夜空の中の小さな小さな
光を見つけて

露になる思い出を
ためらわないで
一つずつ思い出してみて

カーテンの向こう側には
月まで続く道が広がり
あなたが死んでしまうまで
ずっとずっとそこにある

0.2秒後の世界では
あなたはもうあなたではなく
わたしはもうわたしではなく
ここはもうここではなく
夜空は静かに姿を消して
朝は駅も電車も道をも隠す

0.2秒後の世界では
世界がもう世界ではなく
秘密はもう秘密ではなく
夜に気付いた全てのことを
忘れてしまってる

生まれたばかりのあなた
話して聞かせて未来のことを
話して聞かせてあなたのことを
今はもうない
過去の夜に気付いたことを
覚めない夢のまま
ふけない夜のまま
0.2秒後の世界で








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