たくさん咲いたりさせようか
この真っさらの空の箱

いろんな色を塗ってやろ
この神様の賽ころに

踏んでしまって捨ててみよ
なんの役にも立たないならば

もしもしあなたの探し物
花の箱とはこのことさ
あなたに一つあげるから
大事に育ててくれないか

たくさん咲いた花の箱
きれいな水をあげましょう
甘い香りのする箱に
蜜蜂一匹誘われて
箱にすいと入ったところで
私はぱちんと蓋閉めた

もしもしあなたの探し物
神の賽ころとはこのことさ
あなたにひとつあげるから
誰にもこのこと内緒でね

神の賽ころは小さな箱さ
何が起こるか転がしゃ分かる
さあ あなたの番がきた
何をぼうっとしているの

私は神の賽ころにぎりしめ
えいっと転がしてみると
あさってのほうに飛んでって
くるくる回りおちてゆく

吉か凶かなもしかすると
天国か地獄かもしれない

賽ころが出したのは
金色塗られた輝く面
とたんに私は引っ張られ
賽ころの中に吸い込まれ
気付くと母に抱かれてる
遠くのほうで誰かが言った
おめでとう
それはやり直しの面だよ

どこからか蜜蜂とんできて
空の中へと消えました

人の手から手へ渡る
その箱という箱は
今日も誰かに渡ります
目に見えないものだから
気付かない人もいるけれど
もしも気付いたならば
咲かせたり 転がしたりして
楽しんではどうでしょう








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-エムブロ-