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1
おはじきの一枚一枚の
模様がすべて違うように
いくつか指から滑り落ちる
うつくしいものも含めて
2
あの子の瞳はクリーム色
誰が流したか知らないが
あの子の家の横の川にも
アイスクリーム流れてる
3
6月22日のキャベツ畑では
今日も知らない歌声が
小さな音で流れてる
ぼくとぼくの内臓しか
聞こえない暗い暗い歌
4
かかとをこつんと鳴らします
もひとつこつんと鳴らします
もひとつこつんと鳴らします
もひとつこつんは音だけ
5
キャベツ畑の少年は夢の中で
クリームの瞳に恋をした
彼女は夢の中でこう言った
キャベツ畑なのに
りんごが落ちているのねと
6
彼女がかかとを鳴らすことを
やめてからはもう会えない
二人それぞれ大人になって
おはじきのような毎日過ごす
時々りんごを食べるとき
ふと思い出しては懐かしむ
7
彼女はというと
あの時の彼に会いたいと
6月22日だけに
かかとを鳴らしては
歌をうたっているのです
彼の耳に届けばいいのにと。
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