2015/9/18 Fri 23:04
玉子が先か、病のせいか。


話題:ショートショート
がうです。
久々の創作更新です。
たぶんがうの書くのは基本短いから…ここ、いいですよね?
以下本文




息子が1歳になる。
俺は自ら堕ちねばならない。
それが一族の決まり。
俺の父親もそうだったのだろう。

雲が2・3浮かんでいる何処までも青い空。
俺の気持ちとは裏腹な、清々しい日だ。
忌々しい。
俺を遠巻きに見ている親族連中の顔も黒い靄がかかり、イライラとしたただの情景としか見てとれない。
俺が堕ちるのが嬉しいのだろうか?
ただ自分の息子の顔だけが鮮明に見えた。
笑ってやがる。
抱いている女の顔には靄がかかって、俺が愛した女なのかどうか分からなかった。

アイツがいなければ堕ちずにすんだ。
最愛の息子よ、これが父の愛だ。
お前が父となるとき、俺以上に苦しめ。
死にたくない、と。
自分の子を殺してでも生きたい、と。
そう思うように生きてくれ。
それできっと俺は報われる。

さようなら。
俺のクソッタレな人生。
男しか生まれない呪われた血よ。
最愛の息子、お前にも呪いあれ。


***

カランカランとお屋敷の方から鐘の音が聞こえた。
農作業の手伝いを止めて、私はばあさまに聞いた。

「ねぇねぇ、ばあさま。あの音はなぁに?お屋敷から聞こえたの」
「お屋敷から音?どんな音だい?」

最近めっきり耳が遠くなったばあさまにはさっきの音が聞こえてなかったみたい。
私はさっき鐘の音が聞こえたのだと教えてあげた。

「あぁ、それは屋敷の若旦那が死んでしまったお知らせだよ」
「死んじゃったの?なんで??」
「あの屋敷の旦那は子供を殺してしまう病にかかるというからね、それで死んだのさ」

難しいことはよくわからないが、病気なら仕方ない。
床で動かなくなった人を見て、おっかーが病で死んでしまったのだと説明してくれたあの日を思い出す。

「可哀想だなぁ」
「そうだねぇ」

私とばあさまはまた農作業の続きを始めた。


おわり
***
子供を殺すから父が殺されるのか、
父に子供を殺させるような環境があるから、父は自らに手を下すのか。
どっちが先なの?てなのが書きたかったです。
お粗末様でした。

最近は寒いくらいで。
がうは年に2回ある花粉と交戦中で、ちょっと負け気味。
すでに鼻血は出した!!
秘密兵器(薬)を投入したというのに、勝ち越せずにティッシュと仲良し。
向こうの軍師め、なかなかやりおるわ…。




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