2/18 23:11
君といる方が(スマX/アイリュカ)


「アイクさん!雪ですよ、雪!」

ひょこひょこと小さいながらも跳ねる様は見ていて微笑ましい。心も同じように跳ねているように感じた。
部屋のベッドでくつろいでいた重い体を起こし、小さい体の主の元へ歩み寄る。

「本当だ。ここで雪とはな。マスターの気まぐれか」

「マスターにお礼を言わないと、ですね!」

「そうだな」

再び窓に目を向ける。小粒だった雪は段々大きく、数も増して降り注いでいる。
ふと思い出し足元の相手を見やる。彼は外に出たがるそぶりは見せない。子供なら...と思う自分は可笑しいのか、寒がりな彼が可笑しいのか。

「リュカ、外で遊ばなくていいのか」

”遊びたくはないのか”と聞くと失礼になるのだろうか。そんな気持ちと大差ない言葉がアイクから吐き出された。言い終わった後にはっとしてしまう。
だがリュカは首を横に振った。

「アイクさんが行かないなら僕も行きません。それに誰も外に出てないし」

本音は後者だ。アイクは鈍感ながらもすぐに分かった。それにリュカなら外出は極力控えるのだろう。リュカと共に長くいたからこそ分かる見えないソレになんとなく歯がゆくなった。
自分といて楽しいのか、と以前問うた事がある。それに間をあけずに頷いたリュカの目は嘘のない色をしていたように思う。

「そうか」

声に含まれた嬉しい気持ちを察してか知らずか、リュカは隣のアイクを見上げてほほ笑んだ。





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