COCCO


沖縄出身のシンガーソングライター。
私の中の唯一無二の歌姫。

この人との出会いは、デビュー曲「カウントダウン」のPVでした。
ズブ濡れの髪の毛を振り乱して絶叫しながら歌う姿、背筋がゾッとする様な恐ろしい歌詞。
インパクトは充分でした。
でもあまりに怖すぎて、惹かれるものがあったものの敢えて「見なかった」ことにした中学生の私。若かった。

それにちょっと疑ってた。
「病んでる人を演じている普通の人なのかな?」って。
当時から何かを「好き」になることに慎重だった私は、気になったぐらいじゃすぐに聴く気にはならなかった。
特にそういうのを声高に自称して売りにしている人には、潔癖に近い程の嫌悪感を覚えてたから。

でも数年後「強く儚い者たち」で気がついて、「けもの道」「水鏡」で確信した。
ああ、この人は真性なんだと。
「演じてる」んじゃなくて「つい、出ちゃってる」んだと。

それからアルバムを買って、この人が抱えてるものがとんでもないことが解った。
ちょっとやそっとじゃ消すことの出来ない「怒り」「憎しみ」「怨み」。
それが強烈に心の中へ入り込んできた。最初はただ圧倒されるだけだったけど次第に慰められ、救われる様になった。
時には私の傷を舐めてくれたり、時には私と一緒に怒ったり、私の代わりに思い切り泣き叫んでくれてる様な。
そんな気がした私はいつしかCOCOOの歌声、存在そのものに支えられてた。

でもそんなことを歌っていても、やがてはそれが「悲しみ」「赦し」「慈しみ」に変わる時も来て。
聴く側としてはその変化に戸惑ったり置いてかれた気もしたけれど、それで良かったなと思う。
いつまでも同じことを想い、同じ苦しみを題材にして歌うことを望むのは、とても残酷なことだから。
だから私もいつまでも依存していられないなぁ、と思う。

COCCOは自分の歌を「ウンコ」と言う。
自分の中にある汚いもの、だからだそうだ。
COCCOも自分のウンコを何べんも見たくないだろう。
だから彼女はウンコにサヨナラを告げ、新たな道へと進んでいる。
私はそんなCOCCOが大好きだし、これからも応援して行きたいと思う。






-エムブロ-