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ロクデナシ

「ほんと、ロクデナシね」
双子の姉は、わたしに似ていない。
一卵性双生児とは名ばかりで、わたしの方にだけ、どっかに違う遺伝子が組み込まれてしまったに違いない。
そう、ロクデナシの遺伝子が。
だけど一応同じ血を受け継いだ妹のことを、何かにつけてロクデナシと罵る姉こそ、ロクデナシなのではないのか。
ああそれじゃあわたしたちはやはり同じ卵から生まれた不幸な子供なのだ。
何をするのにもわたしより頭一つ飛び抜けた姉が、飛び抜けていないのは実際の身長くらいのものだ。
わたしたちは一対。
思春期はアイデンティティを形成する大事な時期だと保健の授業で教わった。
劣等生でもいいじゃないか。
生まれたからには生きてやる。
生まれたからには生きてやる。
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