スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

黄金色の迎

僕は舞い上がりながら、ああこれか、と妙に納得していました。
アデューアデュー
僕は幸せを撒き散らすような気持ちで、そう歌っていました。
だってそれまでの僕と言ったら、全くこの瞬間のことばかり考えていたのだから。

僕はいつか、彼女の元に行く。
彼女はいつか、僕を迎えに来る。
その時は遅かれ早かれいつか来るのだから、その時には僕を止めても無駄だと、僕は身近にいた人(例えば母)に説いていました。
それを聞いた人は皆、馬鹿なことを言うな、と僕をたしなめるか、彼女を思い出して涙ぐむかでした。

そしてその日、僕にはそれが夢か現実かさえわかりませんでした。
空を舞うあの子の影は、僕の足下を暗く照らしました。
自慢の綺麗な金髪をなびかせてくるりくるりと舞いました。
この海が真っ赤に燃え上がる頃、ここまで降りてきて、そっと僕の手を取りました。
続きを読む
前の記事へ 次の記事へ