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小学生日記8

彼女との約束はちゃんと果たされた。
彼女はわたしを彼の部屋へ案内してくれた。
並んで歩く時、手を握ろうと伸びてきた彼女の手を、わたしは振り払った。
可愛いお客さんを連れてきたのよ、と彼女は言って、わたしを彼に紹介した。
彼はわたしが来ることを知らなかったようで、少し驚いた顔をしたけれど、すぐに笑って
本当だ、可愛いね、と言った。
彼は彼女より年上だった。
一体いくつ年上だかわからないくらい年上だった。
年上の余裕な言葉によれば、彼女はまだまだ幼い子供だということだった。
やめてよ、と彼女は少しむくれて言った。
彼女が幼い子供なら、わたしは一体何なのだろう、とわたしは思った。
彼は彼女を守るように寄り添って、ずっと穏やかに微笑んでいた。
愛されることとは、これか。
わたしはうちひしがれた。
本当の愛を知った六年生の冬、もうすぐわたしは中学生。
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