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小学生日記6

地下鉄に乗って、遠くまで行った。
電車を降りれば皆がわたしを振り向いた。
電車は酷く混んでいて、乗り換えに急ぐ人の波に揉まれてわたしは転んだ。
皆がわたしを見ているので
酷く恥ずかしかった。
顔を上げると、スカートを短くした高校生が三人、わたしを見下ろしていて、
クスクスと笑いながら大丈夫?とか言っていた。
わたしのプライドはずたずたで、悔しくて、彼女たちを睨んだ。
お前はこの街には場違いだぞとでも言いたそうな彼女たちは、確かにこの街に馴染んでいた。
わたしが目指していたのがこんなものなのかと思って、わたしは初めて泣きたくなった。
手を貸してくれたのは結局彼女たちではなく
同じ制服のスカートを膝下まで長くした一人の女の人。
その人は優しい顔をして笑っていたけれど
明らかに周りからは浮いていたし、わたしからしたってダサく見えた。
わたしは直ぐにその手を払い、その場から走って逃げた。
後ろではいつまでたっても止まない笑い声が聞こえるようで
初めての屈辱を、受け止める術を知らなかった六年生の夏。
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