場所に合わせてマスク着脱を 6月の熱中症が過去最多「会話ない屋外では不要」 姫路保健所

7/23(土) 9:30
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 新型コロナウイルスの流行「第7波」で感染が拡大する中、兵庫県姫路市内でも今後、気温の上昇が予想される。観測史上最短で梅雨が終わり、猛暑が襲った6月、市消防局管内(姫路市、神崎郡3町)では熱中症とみられる症状で47人が搬送され、統計が残る2007年以降で過去最多となった。市保健所副所長の正木典子さん(57)は「場所に応じたマスクの着脱が身を守ることになる」と呼びかける。(田中宏樹)

 市消防局によると、6月の熱中症の搬送者数は前年同期(12人)の3・9倍だった。21日までは11人で、前年とほぼ同じペースで推移。暑さが本格化した22日以降に急増し、30日までの9日間で計36人に上った。

 7月1日には姫路で最高気温が35・4度と今年初の猛暑日を記録し、12人が搬送されたという。21日までに計57人が運ばれた。

 「体が暑さに慣れていないと熱中症になりやすい。6月は急な猛暑で体温調節が難しい状況だった」と正木さん。厳しい暑さはいったん落ち着いたが、気温が上昇するこれからの時期は特に注意が必要という。

 感染対策として日常となったマスクの着用も、熱中症のリスクを高める一因となる。水分を取る回数が減ったり皮膚からの熱が逃げにくくなったりし、気付かないうちに脱水症状に陥りやすくなるという。

 厚生労働省は6月下旬、「近距離での会話がない屋外での散歩やランニング、通勤や通学時は不要」と促すリーフレットを作成。人との距離が確保でき、会話がほとんどない屋内でも着用の必要はないとした。

 正木さんは「感染者が増え、周囲の目も気になりマスクを外しにくいかもしれないが、適切に着脱してほしい」と訴える。