エースとマルコ※ (白ひげ)


その、湛えられた誇りに。ふと、傷を付けてやりたくなった。
あんたのそこを占めるその存在は、そりゃあおれだってすきだけれど。おれにとっても誇りだけれど。

「マルコは不死鳥だから大丈夫だよな」
「あ…?なに言っ」

情事の終わった怠さの残る躯、快楽の余韻による虚ろな瞳、まだ少し荒い息。それをいいことに、今一度。先程蹂躙したばかりの体躯に馬乗りになって、人差し指に僅かな炎を燈す。疑問を口にするマルコを無視して唐突にその炎を、その胸に刻まれた、誇りへ。
焼ける。変色。途端、熱さと痛みに呻き暴れる躯を殊更押さえ付けて、更に焼く。

「っ、が、……ッ!エー、ス、てめ、っうあ」
「ごめん、我慢して。止まんないから」

それにマルコは不死鳥だからすぐに治せるだろ、と、笑顔で付け加えて、誇りをなぞる、なぞる。朱で入れられていたそれは黒く変色し、脂の焼ける嫌な匂いが鼻をついた。それでもおれの欲望は満たされたし、言いようのない高揚感もあったからなにも気にならなかった。押さえ付けていた力を緩めてやれば、瞬時に襲ってきたのは蹴り。ひらりと躱して再び笑んでやる。
焼いたばかりのそこを自らの炎で癒しながらこちらを睨みつけるその様は酷くおれをしあわせにさせた。

「っ、…ついに狂ったか、クソガキ」
「まさか」



(ああ、癖になりそうだ。)








独占慾の強すぎるエースもありかなと。
100218.





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