恋愛のようなもの

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恋愛偏差値底辺
17/02/27 20:53 / 奴のこと

そういえばバレンタインでしたね!(切り替え)

今年は、仕事も結婚式準備も何もかも忙しいし、一緒の家にいるときにお菓子作りも冴えないなと思い、市販の高いやつをネットでポチりました。
でもそのあと、友達についていったデパートのバレンタインフェアで、ほいほいと山ほど追加で購入しました。
奴と半分こくらいの勢いで私も食べたので、しばらくお肌の調子が悪かった。笑

でも、なんですかねあのキラキラ空間。
片っ端から買ってしまいそうになるけど、たまたまお財布の中身がスッカスカだったのでこれでもまだ自制できた方です。笑
学生のころはお金がなくて、チョコレートひとつ買うのにも吟味しまくったし、マフラーひとつあげるにも安い毛糸を買って手編みしたし、あのころの方がなんでも頑張ってたなと懐かしくなります。
お金ってすごくすごく大事だし便利だしいつでも欲しくてたまらないけど、なければないなりに頑張れるんですよね。
来年は、なにか少し頑張ります。

しかーし。

そんな私でも、今年、少しだけはちゃんとバレンタインしたんです。
市販チョコだけじゃ可哀想だから、メッセージカードを書いて紙袋に入れて。
開くとふたつのハートが動いて寄り添うという、超絶恥ずかしい細工のカードです。

大した演出もせず、夕食後のデザートとして紙袋ごと食卓に出しました。
なんかすごいパティシエのチョコなんだって! とか言いながら全種類半分こして、仲よく食べて。
おいしかったねー。ねー。で、終わり。

ん? んんん?
なんか忘れてない???

確かになんにも特別感はなかった。
高級感を意識したのかブラウンののっぺりした紙袋、デパートのチョコレートも昨日すでに食べた、自宅のこたつの上、何もかもバレンタインに似つかわしくない。
でもでも、プレゼントされた紙袋の中に、恥ずかしそうにひっそりと、真っ赤な封筒が入っていたじゃない!!!!

奴は気づかなかったんです。私の愛のメッセージカードに。
食べ終えてから、紙袋はその辺に置いて、同じくその辺にあった適当な板チョコを代わりに入れて。
手頃な位置にある小物入れとして活用されだしました。
かわいくない眞田は無論自分から言い出せるはずもなく、何もなかった振り。
そうして、私たちのバレンタインは、イベント感ゼロで幕を閉じたのでした。



そして先日。ついこの間。
掃除をしようと例の紙袋を持ち上げ覗き込んだ太郎くんが、あっ、と声を上げました。
見れば、赤い封筒を手に、こちらを振り返るクズ男。
眞田もあっ、と同じように叫んで、普段ならありえない目にも止まらぬ速さでそれを奪い取り、ごみ箱ダンクしました。
奴以上にクズ女です。

なに、えっ、なになに何で捨てるの! と慌ててごみ箱に駆け寄り拾い上げる太郎くん。
これ以上やると本気でうざい女になるのは私にでもわかったので、もうその様子を眺めるしかありませんでした。
とりあえず、開くまでの間はひたすらに「太郎くんまじ最低」と呪詛を唱えておりました。

そのあとは、カードを見ながらにやにやしたり後悔で泣きそうな顔をしたり、しかしやっぱりにやにやしている奴に追加で10回ほど「太郎くんまじ最低」をお見舞いし、隣の部屋に逃げました。
しばらくして戻ったら、一人でカードをパカパカしながらにやついていたので、もう一発「ほんま最低」。
『ういやつ、ういやつ』と襲い掛かってくるのを五回ほど全力拒絶したのち、結局、熱い抱擁に落ち着きました。とさ。



あんなに顔が見られないほど恥ずかしかったのは、久しぶりでした。ほんと。
アラサーを間近にして馬鹿みたいと思いつつ、こんなこともあるんだなと少し嬉しくもあり。
昔は嫌というほど書いた手紙も、久しく書いてなかったので、たまにはいいもんだなと思いました。

でもなんか、私たち二人揃って、恋愛偏差値めっっっちゃ低そうですよね。笑
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