2012.10.31 19:58 [Wed]
お久しぶりですー
「バカだな」
傍にいたいと告白したのにそんな言い方ないじゃないか。
でもそれが彼らしくって俺は好きだ。
「それが何を意味するかわかってるのか?」
「ずっと一緒ってことだろ」
茶化すように言ってやれば彼は今度こそ泣きそうにバカだと呟いた。
消え入りそうな声色でその端正な顔をくしゃくしゃに歪めている。
本当なら今すぐにでも抱き締めてやりたいのに、それはどうやったって出来る筈がない。
幽霊を抱き締めるなんていくら俺でも無理だ。
「お前は死ぬんだぞ…」
とうとう泣き出してしまったその姿を、もう何度見ただろう。
生きてくれ、出会わなければよかったと声を震わせながら訴えられてきた。
その涙を拭えない度に、俺は生きることへの執着がなくなっていったというのに。
皮肉すぎる、こんな恋愛ってあるか。
愛する人の傍に居てこそ幸せってものだ。
だからはやく、
「連れていってくれ」
「5階に住んでた男の人、亡くなったじゃない!原因不明らしいわよ」
「若いのにお気の毒ね」
「でも笑顔で倒れてたらしいの、不思議じゃない?」
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今日はあの世とこの世が繋がる日!
ハッピーハロウィン?